学生実習

2005.8.9〜8.11

金沢大学の5年生が、夏期実習に来てくれました。2005年8月9日〜11日、伊吹診療所、大久保出張所、吉槻診療所、板並出張所、浅井中部診療所を場所に、私と中村先生で一人づつ見学してもらいました。できるだけ体験をしてもらおうと考えていましたが、私の方は、患者さんに追われて見学が中心となってしまって、悪かったなと思います。その分、採血や心電図、レントゲン、点滴、局注などの処置、往診などをしてもらえたかと思います。中村先生の方では、じっくりと診察をしたり往診したり、介護保険認定審査への参加など、体験してもらえたと思います。十分なことはできませんでしたが、今後の経験に少しでも役に立てたら幸いです。

実習中は、畑野先生、中村先生をはじめ、スタッフの皆様、そして患者さんに、多くのご迷惑をお掛けしました。すみませんでした。
しかし、また、非常に多くのことを得ることができました。
中でも、実際の地域医療が行われている現場、そこで働いておられる方々の姿を見ることが出来たことが最も大きい収穫でした。この後、私がどういった道に進もうとも、この経験はかならず役に立つものであると確信することが出来ました。

また、実際の患者さんに対して手技をさせて頂くことができた事も大きかったです。なかなか緊張して、うまくいきませんでしたが・・・。手技はやはり数をこなさないといけないと痛感しました。

今回の実習では大学病院とは全く違った、今後ますます重要性を増していくであろう医療の場を見学させて頂きました。この経験を生かして、今後も頑張っていきます。


8月9日
伊吹診療所:今日は患者さんの診察をさせて貰いました。大学病院では多くの時間をかけて取ることが可能ですが、診療所では限られた時間で効率よく所見をとらなければいけないのが難しかったです。見て良かったです。実際の患者さんを診察することで学ぶことは多く、大変勉強になりました。

中部診療所:心電図、レントゲン、内視鏡など全てをお一人の先生が行っておられることが新鮮でした。また、慢性疾患の患者さんが多く、「患者さんの訴えの有る部位はとりあえず診る」という姿勢に、非常に共感できました。
午後からは介護保険認定会議に出席させていただきました。実際に、要介護度を決定する現場を見ることができたことは、貴重な経験でした。この決定によって、受けることができる介護サービスの程度が決定されると思うと、いかに客観的な立場で判定できるかということの難しさを、感じることが出来ました。
今日は、忙しかったこともあり、心電図の装着のみを実習させていただきましたが、やはり実際に患者さんを目の前にすると緊張してしまい、電極を装着するのにも時間が掛かってしまいました。

8月10日
吉槻診療所、板並出張所:吉槻診療所では患者さんが少なかったこともあり、診察をさせていただきました。慢性疾患の患者さんが多かったのですが、必要な所見を判断して取るのが難しかったです。先生が、患者さんの家族構成まで把握されていて、また患者さん同士も待合室で談笑されている様子が印象的でした。「病気になったから病院へ行こう」というものではなく、「ちょっと身体の様子を診てもらいに行くか」といった感じで診療所を訪れている様子が非常に良かったです。家族で受診されている方もいらっしゃって、「そういえば、父が・・・」といった感じで、本当に家族ぐるみで診ておられるといった感じが新鮮でした。また、往診では中村先生がリハビリを行われており、「こういった田舎では、まだリハビリの介護サービスはまだ行われていない」という説明に、改めて、必要とされている知識の多さと、いろいろな職種を兼ねているということを実感しました。
板並出張所は、正直、これが診療所かという建物でした。それでも、既に患者さんが待っておられ、1時間の間、ひっきりなしに患者さんがこられました。この辺りは高齢の方が多く、バスも少ないため、"近い"ということがすごく大事だ、という先生の言葉が重かったです。
今日は、地域医療、僻地医療といった本当の姿を見ることができたような気がします。これまで、知識としてしか捉えていなかった、地域医療の現場を体験、見学できて非常に有意義でした。

8月11日
伊吹診療所:伊吹診療所では、吉槻診療所と比べると患者さんが非常に多く、あわただしい雰囲気でした。ベッドに2人休まれており、レントゲンを待っている患者さんがおられ、外来でも患者さんが待っておられる、という状況をこなしておられる畑野先生に驚きました。それだけ、広い地域から患者さんがこられるということが、伊吹診療訴の果たしている役割を示していると感じました。
今日は、腹部エコー、採血、レントゲンの撮影、緊急患者さんのバイタル測定などをさせていただきました。
いずれも、初めての経験ばかりで貴重なものでした。採血では、採血中に「痛くありませんか?」と患者さんに声を掛けたところ、「集中しろ!」と叱責されてしまい、焦って、針が1度抜けてしまう、という苦い経験がありました。改めて、学生として医療現場に立つことの難しさや、どこまで手技に関わっていけるのか、また、どのように患者さんに接していくのか、といったことを感じました。
また、熱中症、脱水症?、胸部不快感で急患の方がこられました。バイタルを取らせて頂いたのですが、救急患者さんのバイタルを測定する経験が初めてだったので、かなり焦ってしまい、よい経験になりました。
午後からは、湖北総合病院で、僻地医療に関する講演を聴かせていただきました。先生の「365日24時間すごいプレッシャーがある」という言葉が非常に重く感じました。地域に根ざした医療の厳しさと大変さを感じることが出来ました。

8月12日
伊吹診療所:朝から、おばあちゃんの点滴ルート取りをさせて貰ったのですが、2回ともうまくとれず、患者さんから「いいよ、いいよ、何でも練習や」といって頂き、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。その後も何度か採血をさせていただいたのですが、なかなかうまくいかず、先生やスタッフのみなさんに丁寧に教えていただきました。本当にありがとうございます。
また、腹部エコーも経験させていただきました。胆のうポリープは描出することが出来たのですが、肝のう胞や膵臓はうまく見ることは出来ませんでした。
実際に、患者さんに対して手技をさせて頂くことは、非常に緊張しましたが、また、非常に良い経験になりました。