学生実習(地域医療 advanced course)

2006.3.13〜3.23 滋賀医大5年生
・・・学生実習プログラム

第1週

朝 8:30〜

挨拶

検査(胃カメラ・エコー)、1日の準備
午前 9:00〜 外来実習
吉槻診療所
担当:中村
待合室実習
@大久保出張所
担当:畑野
訪問看護実習
@患者宅
担当:看護師
外来実習
@伊吹診療所
担当:畑野
デイサービス実習
@愛らんど
昼 13:00〜

検査(胃カメラなど)、昼食、休憩
午後 14:00〜 往診実習
10件
担当:畑野
外来実習
@伊吹診療所
担当:畑野
出張所外来実習
@板並出張所
担当:中村

訪問看護実習
@患者宅
担当:看護師

ケースカンファレンス

夕方 17:00〜

カルテレビュー、1日の振り返り
宿泊 高滝旅館

第2週

朝 8:30〜

祭日

検査(胃カメラ・エコー)、1日の準備

大学
午前 9:00〜 外来実習
吉槻診療所
担当:中村
外来実習・調剤実習
@伊吹診療所
外来実習
@伊吹診療所
担当:畑野
昼 13:00〜

検査(胃カメラなど)、昼食、休憩

検査(胃カメラなど)、昼食、休憩
午後 14:00〜 往診実習
担当:畑野
集団的個別指導(保険診療の実習)
@彦根
往診実習
担当:畑野
夕方 17:00〜

カルテレビュー、1日の振り返り

カルテレビュー、1日の振り返り
宿泊 ペンションいぶき

到達目標

外来実習・・・問診、診察ができる。適切なコミュニケーションをとることができる。診断に至るプロセスを解釈できる。必要な検査をオーダーできる。

手技・・・採血、点滴、心電図、レントゲン、注射(局注、関注)、腹部エコー、心エコー、甲状腺エコー、内視鏡、注腸を体験ないし見学する

往診実習・・・患者さんとコミュニケーションしながら診察ができる。家族にも配慮し適切な言葉かけができる。家庭の中で患者さんのQOLに障害になっているところを指摘することができる。

待合室実習・・・待合室で、ざっくばらんに患者さんたちと話ができる。患者さんのニーズや不安を把握することができる。地域の方言を知る。

訪問看護実習・・・訪問看護の重要性を知ることができる。介護のコツを知ることができる。医師や理学療法士との連携ができる。

ケースカンファレンス・・・地域の要介護者の様子を把握することができる。医師・看護師・PT・ケアマネ・ホームヘルパー・デイサービススタッフ・在宅介護支援室が、フラットな関係で情報交換し、患者さんの利益になるプランを考えることができる。

デイサービス実習・・・患者さんの家庭から送迎の課程、デイサービスでの様子を見ることができる。特に家の顔と、デイでの顔の違いに気がつくことができる。介護士の専門性に気づくことができる。

開放型病棟見学・・・紹介した患者さんがどのように病院で治療されているか、病院スタッフと情報交換できる。

保険診療実習・・・医師が保険医として、法律上の制約に基づいて医療を提供していることを知ることができる。


3月13日


学生さんが来る日はなんで雪が降るのだろう?


午後から、吹雪の中の往診が始まる


往診先にて、診察をお願いする


褥瘡の処置も(壊死部除去後かなり肉芽が盛り上がってきた)


ラップ療法をしてもらう


往診の先々で


血圧が測れない人もいて苦労


開業されていたドクターの診察室を訪問。レトロです

◆一日の研修内容

 午前:吉槻診療所にて外来実習、往診
 昼 :昼食
 午後:往診実習
 夕方:1日の振り返り

◆経験したこと

 往診では、血圧測定や診察をしました

◆印象に残ったこと

 褥瘡がひどく進んでいるのを見て、こうなる前になんとか気づけなかったものかと思いました。また褥瘡の治療にはラップで覆うと知り、新たな発見をしました。

◆戸惑ったこと

 今日に限って吹雪に見舞われてしまい、すごいところに来てしまったような気がして衝撃を受けました。往診の車の屋根からどんどんフロントガラスに雪が落ちてきた時には、先が思いやられました。

◆疑問に思ったこと

 このあたりの高齢化率は40%ということでしたが、80%くらいなのではないかと思うぐらいの印象で、雪が降っている時などは特に、どのようにして生活用品や食材などを調達しているのだろうかと思いました。

◆明日までの目標

 創傷治療の方法について学ぶ  <創傷治療DVD>

◆今週中の目標

 診察を上手くなる

◆いつか達成したい目標

 患者さんをその背景まで含めて全部を診るような医療ができるようになる

3月14日


降り積もった雪の中、高齢化率40%の大久保出張所へ。出張所という概念が、一般の医師・学生にはないみたい


待合室実習では、住民とのコミュニケーションをとってもらう・・・学生さんによっては苦痛に感じると思いましたが彼女は上手でした


来月からは、出張所のスタッフも変わる。過渡期の出張所診察


13年間通った大久保出張所も、私が行くのはあと1回と思うと少し寂しさを感じる


午後からは本所の診察を見てもらいながら、いろんな手技に挑戦してもらう(十分指導します)


看護師から、点滴回路の作り方を教わり、点滴にトライする


骨折疑いの患者さん、救急車で搬送していただく。


最後には、患者さんの診察。非常に慣れている感じ

◆一日の研修内容

 午前:大久保出張所にて待合所実習
 午後:伊吹診療所にて外来実習 診察・手技など
 夕方:一日の振り返り

◆経験したこと

 待合所実習では、お年寄りの方々と様々なお話をしました。
 外来では、診察や手技(採血・点滴・筋注・関節内注射・レントゲン撮影など)をしました。

◆印象に残ったこと

 待合所では、患者さんたちがあまり話をしてくれなかったらどうしようかと最初不安でしたが、皆さん色々な話をよくしてくださったので、楽しい時間を過ごすことができ、生活の様子を知ることもできました。
 外来では手技を色々やらせていただき、やり方も丁寧に教えていただいて、とても勉強になりました。

◆戸惑ったこと

 待合所でお年寄りと話をしていると、話がよく聞き取れないことがあり、その意味でお年寄りとスムーズに会話をしていくことの難しさを感じました。

◆疑問に思ったこと

 採血・点滴などは、どのぐらい経験をつむと上手くなるのだろうと思いました。

◆明日までの目標

 抗菌薬について学ぶ。  <抗菌薬治療の本を読む>

◆今週中の目標

 採血を上手くなる。

◆いつか達成したい目標

 採血に自信が持てるようになる

3月15日


午前中は訪問看護実習。リハビリとお話をしてもらう。彼女の素晴らしいところはコミュニケーション能力


大学ではなかなかできない医療的手技に、いろいろ取り組んでもらう


午前の部が終わり、昼食に向かうところ。3日目にしてようやく晴れ、快晴の伊吹山をバックに


午後からは吉槻の中村先生にお願いし、板並出張所実習を体験


板並出張所にて中村先生と、


吉槻診療所から往診

◆1日の実習内容

 午前:外来実習(@伊吹診療所)、訪問看護実習(@患者宅)
 午後:出張所外来実習(@板並出張所)、外来実習(@吉槻診療所)、往診実習

◆経験したこと

 採血・点滴
 頸部エコー
 問診・診察
 心電図
 訪問看護

◆印象に残ったこと

 頸部エコーでは、なかなか自分の描出したいように出せなくて大変でした。

 訪問看護では、脳梗塞後のリハビリ中の患者さんのところに行きましたが、とてもリハビリに熱心で、苦しくても絶対に口には出さずに頑張っておられる姿に心打たれ、またその甲斐あってか麻痺側の右側もかなり動くようになっていて驚きました。しかし一方で介護者の抱えるストレスの実情も知り、難しい問題だと思いました。患者とその家族も含めてみていく必要があるけれども、プライベートな部分にあまり立ち入ることもできず、なかなか解決は困難だと感じました。

 板並出張所は、まさに「物置」と言う感じのところで、こんなところで診療するのかと驚きましたが、逆にどんなところでも診療はできるものだと思いました。

 吉槻では子供の採血・点滴をするのに子供が泣きわめいてとても大変そうでしたが、それでも子供を無理やりおさえつけてしてしまうのではなく、時間をかけて説得してやっているのを見て、こうすると信頼も得られるのかと思いました。

◆戸惑ったこと

 心電図が大学にあるタイプのものではなかったので、つけ方に少し戸惑いました。
 採血の際にしっかり固定しようと心掛けたにも関わらず、やはり途中で抜けかかってしまい、まだ甘かったと思いました。

◆疑問に思ったこと

 板並の出張所は、なぜ最初に建てたときに、もっとしっかりしたものにしなかったのだろうかと少し不思議でした。
  
◆明日までの目標

 抗菌薬についての勉強の続き
 肝臓のエコーについて学ぶ

◆今週中の目標

 エコーをやる

◆いつか達成したい目標

 雪の無い伊吹を見る

3月16日


午前は腹部エコーに挑戦。その後は外来の採血などの処置を中心に体験してもらう


局注にもトライ


午後からは訪問看護に同行


1ヶ月後にオープンするケアセンターいぶきの前で


ケースカンファレンス@愛らんど


多職種協働で、要介護者のケア計画を練る

◆一日の研修内容

 朝 :腹部エコー検査
 午前:外来診療実習(@伊吹診療所)
 午後:訪問看護実習
 夕方:ケースカンファレンス

◆経験したこと

 腹部エコー
 採血
 局注
 診察(頸部リンパ節触知した)
 訪問看護(褥瘡処置など)

◆印象に残ったこと

 腹部エコーを患者さんでこれ程じっくりとやらせていただいたのは初めてで、大学病院とは違って患者さんがとてもよく協力してくださることに感謝しました。しかし、エコーはやはりなかなか難しく、思うように描出できませんでした。

 局注も初めてで、その感覚を知りました。

 訪問看護では、ご家族の介護力を上げるために 工夫をしながらやっていることを実感しました。全てやってしまえば早いかもしれないけれども、そうではなく、ご家族のモチベーションをあげるように言葉をかけながら、一緒に参加してもらうということが大切なのだと感じました。

 また、ケースカンファレンスでは、地域の一人ひとりの健康状態をすべてしっかり把握されていることに感動しました。まさに地域全体の健康が真剣に守られていると感じられました。

◆戸惑ったこと
 

 昨日はやっと青空が広がったと喜んでいたのに、今日は暴風雨で、残念でした。
 いつも採血の針を入れて血管に入らなかったときに、刺したまま中で針をどう動かしたらよいものかわからず、途方にくれてしまいます。

◆疑問に思ったこと
 
 どうしたら膨大なお年寄りの名前と顔と病状を全て覚えていられるのかと思いました。

◆明日までの目標

 急性気管支炎の診断・治療について学ぶ。

◆今週中の目標

 エコーにもう少し慣れる。

◆いつか達成したい目標

 患者さんの名前と顔を忘れない。

急性気管支炎について    ・・・DynaMed から和訳してもらいました

【全身所見】
 ・微熱
 ・学童期前の子供では、臨床所見はあまり信頼できない。
【頭・耳・眼・鼻・喉】
 ・鼻炎や咽頭炎が認められうる。
 ・結膜炎やアデノウイルス感染による中耳炎が認められうる。
【頸部】
 ・リンパ節腫脹
【肺】
 ・肺の検査は便利であるが、診断的ではない。
 ・喘鳴、ラ音、呼気の延長、その他の閉塞疑わせる所見がありうるが、気管支攣縮の徴候が全く無いこともある。
 ・腹臥位による強制的な呼気によって喘鳴がわかる。
【診断】
 ・診断基準は確立されていない。
 ・急性気管支炎の診断は通常、咳嗽(粘液分泌の有無に関わらず)が有力な特徴となる気道感染を意味する。
 ・急性気管支炎の診断を受けた患者と上気道感染の診断を受けた患者では、かなり所見が類似している。
【除外診断】
 ・反応性気道疾患(喘息・アレルギー性アスペルギルス症・慢性気管支炎)
 ・気道感染(副鼻腔炎・風邪・肺炎・咽頭炎・ニューモシスチス・カリニ)
 ・発作性の夜間の呼吸困難・起座呼吸・ラ音・浮腫・頚静脈の怒張などがある場合、うっ血性心不全を疑う。
 ・頻脈・頻呼吸・38度以上の発熱・胸部X線異常陰影がある場合、肺炎を考える。
 ・子供または大人で2〜3週間咳が続く場合、百日咳を考える。
 ・持続する咳嗽・体重減少・寝汗がある場合、結核を疑う。
 ・その他の咳嗽や喘鳴の原因(ACE阻害薬・逆流性食道炎・気管の腫瘍
【オーダーすべき検査】
 ・成人の急性咳嗽や急性気管支炎疑いの評価は、肺炎の除外が重要である。
 ・バイタルサインに異常が無いまたは肺音に左右差が無い健康な非高齢者では、胸部X線は通常必要ではない。
 ・ピークフロースパイロメトリーは、閉塞の発見に有用である場合もある。
 ・パルスオキシメトリーは、肺炎が疑われる場合に有用である。
【血液検査】
 ・プロカルシトニン値によって下気道感染に対する抗生物質の使用を安全に減らすことができる。
【画像】
 ・胸部X線は歩行可能な子供の急性下気道感染に対して有効だと言うエビデンスは無い。
 ・胸部X線は成人の大人の急性咳嗽に対して有効ではない。
【治療】
 ・合併症のない急性気管支炎に対して抗生物質は推奨されない。
   7〜11日目の咳嗽の出現を減らしうる。
   咳の持続を0.5〜0.6日短くしうる。
   嘔気・嘔吐・頭痛・発疹などの有害な副作用と関係している。
   抗生剤の種類による効果の違いのエビデンスはない。
 ・抗生剤の投与を遅らせても、たいていの症状に対する効果はほとんど変わらない。
 ・気道の閉塞のある患者に対しては、気管支拡張薬が有用である。
 ・咳嗽に対する市販の薬の効果を支持するエビデンスはない。
塩酸ジフェンヒドラミンも臭化水素酸デキストロメトルファンも、小児において夜間の咳嗽を減らす効果はない。

3月17日

◆一日の研修内容

朝 :腹部エコー(伊吹診療所)
午前〜午後:デイサービス(愛らんど)     ↓
夕方:ミーティング

◆経験したこと

 腹部エコー
 デイサービスでのレクリエーションなど
 褥瘡の処置
 送迎
 ミーティング

◆印象に残ったこと

 今日来られていた方々はお元気な方が多く、皆さんとても楽しそうでした。私ともよくお話してくださり、ほっとしました。「ここに来て色々話をしたりすると本当に楽しい」と、週に2回ぐらいの愛らんどを心待ちにされている方もおられ、生活の中にこのような刺激や楽しみ、交流の場があることが元気でいられるために重要なことだと感じました。

 また昼食では皆さん口々に「おいしいおいしい」とおっしゃって、もりもりと予想以上の量をぺろりと召し上がっていたので少し驚きました。愛らんどの食事が大人気なのがわかり、また楽しんでおいしい食事ができるということが健康の原点だと感じました。

 昔からの文化など、多くのことを皆さんから教わり、今まで知らなかった「豆より」も体験させていただいて、普段の生活では得られない知識を得たのも貴重な経験でした。

 また以前から、それほど認知症が進んでいない人や年齢がそれほど高くない人、プライドの高い人などはデイサービスを利用しにくいのではないかと考えていましたが、やはりその問題は愛らんどでも考えられているようで、今は全体で同じことをしているけれども、個々に合わせたことを少人数のグループに分けて行っていこうという方向に向いているとのことで、それならば多くの人が利用しやすくなると思いました。しかし、それには職員 の人数の問題が生じ、なかなか簡単にはいかないもので、理想を現実にするのは難しいと感じました。

 少ない人数で大勢をみているにも関わらず、しっかりと一人ひとりの様子に気を配っておられ、少し元気がなかったり、しんどそうだったりするのも見逃さずにさっと対応なさっていて、行き届いたケアを実感しました。また、席の配置にも試行錯誤なさっていると知り、心遣いの深さを感じました。

◆戸惑ったこと

 時々話題を振るのに苦労しました。

◆疑問に思ったこと

 いつもいつもレクリエーションの内容を考えているのは、想像を絶するような大変なことではないかと思いました。

◆明日までの目標

 介護保険の改正について知る

◆いつか達成したい目標

 畑野先生のように、みんなに信頼されるような医師になる。

デイサービス実習フィードバック  スタッフ→学生さんへ

◆実習生のよかったところ

●お昼休みに皆さんの中にご自分から入っていかれ、お話をされていたのがよかったと思います。

●若々しくはつらつとして皆さんに接していただき、利用者さんも元気をもらえたと喜んでおられました。1日の中で、いろんな仕事をお願いしましたが、全てのことに積極的で参加され、ありがとうございました。

●はきはきと話していました

●利用者さんと会話が多かった

●デイサービスに感心があり、送迎や特殊浴槽機のことも質問してくれたこと

●よく利用者さんと話しをされていました

●笑顔ではきはきと利用者さんに接しておられたところ

●バイタルチェックを丁寧に行われていた

◆これから改善できそうなところ

(コメントはありませんでした)

◆印象に残ったこと

●私自身、午前中は入浴介助、午後からは外出してしまったのであまり実習される様子を伺うことができなかったのが残念です。でもその短い中で、デイサービスを知ろうという真摯な姿勢が伺われました。これからも頑張ってください。

●朝のバイタルチェックから、処置、食事介助とお手伝いいただき、ありがとうございました。相手の話しを聞き、優しい対応をされ、私自身とても勉強になりました。

●人と話をする時に、丁寧に接しておられました。

●人と接する時の当たりが柔らかで、落ち着きがあると感じた。

3月20日


午後の往診では、患者宅近くの、節分草の往診にもつき合わせる


四季折々の空気に触れることができるのが往診の楽しいところ・・・


診察をお願いするが、どんどん慣れてきている様子


皮膚のびらんの処置にも慣れてきた


吸引をするのは初めてということで、指導をした上で実際にやってみてもらう。患者さんの苦痛はあまりなし。上手。


在宅患者さんの尿道バルーンの交換もしてもらう。「清潔操作」に心がけることを指導したが、スムーズにやってしまった。

◆一日の研修内容

 午前:外来実習(吉槻診療所)
 午後:往診実習

◆経験したこと

 診察
 腹部エコー
 点滴
 採血
 バルーン挿入
 吸引
 褥創処置

◆印象に残ったこと

 吉槻診療所のエコーは伊吹診療所のものよりも見づらくて、やはりなかなかわかりにくかったのですが、プローブをどのように操作して、どこをどのような流れで見ていけばよいのかがわかったように思います。また、エコーは非侵襲性で非常に簡便な検査でありながら、様々の重要な情報が得られることを知りました。何か少しでも気になる症状があれば、エコーをやってみる価値は十分にある、むしろやるべきだと感じました。

◆戸惑ったこと

 尿道カテーテルを入れるのは初めてでしたが、どのぐらいの加減で入れればよいのかわからず、緊張しました.
また、吸引は病院で見ていると簡単そうに思っていましたが、やってみるとなかなか要領がつかめず、経験できて良かったと思いました。

◆疑問に思ったこと

 新しいエコーでも何を見ているのかよく分からないのに、古いエコーにいたっては、どうしたら使いこなせるようになるのだろうと思いました。

◆明日までの目標

 腹部の解剖を学ぶ。

◆今週中の目標

 採血できるようになる!!

◆いつか達成したい目標
 
 エコーを使いこなせるようになる。

3月22日


眼底カメラの操作を体験してもらう


今日は午前中の大半を調剤実習に費やした


分包するのはとっても大変


分包された薬は2回、3回と確認する


薬のみを入れて、今日の外来73人受診。たくさんの人数を体験してもらい、調剤には自信ついた?


インフルエンザ迅速測定キットも体験

◆一日の研修内容

 午前:調剤実習(伊吹診療所)
 午後:診療報酬改定説明会(彦根文化プラザ)

◆経験したこと

 調剤
 眼底撮影
 集団的個別指導参加

◆印象に残ったこと

 調剤は思いの外楽しいものでした。しかし分包は手間がかかって大変でした。特に粉末のものや、0.5錠に割らなければならないものなどには、苦戦を強いられました。中にはかなりの種類の薬を服用されておられるということを実感し、そのような方にはやはり分包が便利なのだろうと思いました。

 調剤実習を通して、今まで病院で先生方が処方されていて、名前だけは知っていた薬が、実際にどんな薬かを見ることができてよかったと思います。

 また、集団的個別指導では、保険診療のややこしさを身にしみて感じました。

◆戸惑ったこと

 何種類もの薬を分包していると、どの薬かわからなくなってくるので、薬によって色や形にもっと様々なバリエーションがあればわかりやすくて間違いも防げそうだと思いました。

◆疑問に思ったこと

 薬を調剤していると、自分が間違えてしまってはいなかと、とても不安になったのですが、ダブルチェックはしていても間違いが起こることは時々あるのではないかと思いました。

◆明日までの目標

 採血のイメージトレーニング

◆いつか達成したい目標

 分包をもっと楽にするような機械を開発する。

3月23日


最終日は、内視鏡に挑戦。内視鏡の使い方について指導し、十二指腸から抜いていくところをしてもらう


腹部エコーは、もう何例も挑戦してもらった。かなり描出する力がついてきた


往診先で、アズマイチゲが咲き始め。自然の息吹を感じながら、患者さんに元気を与えられるように


川の水で大根を洗うご婦人。こんな風景も心を和ませてくれる。住民の生活に立った視点で。


こんなもん見っけ!(消防ポンプ車のポンプ)


さあ最後のお宅の往診。これで実習はおしまい!

◆一日の研修内容

 朝  :内視鏡検査
 午前 :外来診療実習(伊吹診療所)
 昼  :腹部エコー、内視鏡検査
 午後 :往診実習

◆経験したこと

 採血・点滴
 エコー
 内視鏡捜査(抜くところ)

◆印象に残ったこと

 初めての内視鏡捜査でしたが、思うように見たいところが画面の中心にこなくて、いったい何をどのように動かしたら見えてくるのかさっぱり検討がつかず、難しさを実感しました。これは慣れるまでに相当練習しなければならないと思いました。
 内視鏡の2例目ではいきなり立派なボールマン2型の症例に出くわしてしまって、かなり衝撃的でした。しかしとても貴重な症例を見ることができたと思います。

◆戸惑ったこと

 採血しようとしたら、患者さんに「痛くしないでね。」と冗談ながらに言われて、失敗するかもしれないしどうしよう、と思いましたが、そんなときでも患者さんには安心感を与えることが重要だと実感しました。

◆疑問に思ったこと

 以前に、注射をするときに「痛くないですよ」と声をかけてすると、痛みの感じ方が違うと聞いたことがあるのですが、それは本当なのだろうかと思いました。

◆明日までの目標

 伊吹での2週間をじっくりと振り返る。

◆いつか達成したい目標

 この2週間で得たことをこれからの実習や医師になってからの生活に生かしていきたいと思います。


実習生へのフィードバック (診療所スタッフ→学生さん)

◎よかったところ

●コミュニケーション能力は、素晴らしいものを持っていると思いました。初めての人に対しても、話しを聴くという力は今後の診療での基本になりますし、医師患者関係においても最も大事なことだと思います。 手技は初めてのことが多かったと思いますが、まず体験し、反省し、上手くなりたいと努力しているところはよかったと思います。

●医療が医師だけで行われていないことをよく学んでもらったと思います。特に看護師やデイサービスのスタッフとの交流の中で、彼女たちの工夫している点や苦労している点を指摘できていました。

●患者さんの病気だけではなく、人として全人的に診ていくことを目標にしていたこと

●自分なりに毎日、目標を持って実習され、振り返り、次に生かそうと努力されていた所

●何にでも積極的に取り組もうと努力されていた所

●技術(点滴や採血など)で、不安でも患者さんの前では堂々とされており、患者さんにも不安を与えなかったと思います。

●実習したいという思い、熱意があります。傾聴姿勢がよいと思いました。

●非常に意欲もあり、一生懸命取り組んでいただきました。患者さんに対しても優しく話し、接し方もよかったと思います。

●人当たりがよく、優しい感じがよかったです。

●常に笑顔で患者さんに接しておられ、一生懸命な姿勢が印象に残りました。これからの学生生活に、またご自身の人生においてもプラスになるような勉強をしていただけたのではないかと思います。

●目上の人に対して、尊敬のある態度、言葉で接しておられたところ。

●時にはユーモアも交えての会話、動作で、場の雰囲気がほぐれた。

●明るくて素直そうなところ

●どんなこともあわてず、慎重にしているところがよかったと思います。いろいろなことによく気づき、質問する姿勢もよいと思います。

◎これから改善できそうなところ

●食事の量が少ないので心配しました。よく動くためには、よく食べること。自分の健康があってこそ、人に優しくなれると思います。 

●医師になるためにどうしても必要なことは、「心・技・体」だと思います。「心」に対しては、患者さんに丁寧に接しておられ申し分ないと思います。勉強する姿勢も常に見られ素晴らしいと思いました。「技」の部分が、まだ習熟できていないので、経験を積んで「自信」を持ってもらいたいと思いました。今回の実習においては、即戦力になることをできるだけ幅広く体験してもらおうと思いました。採血・点滴・診察・心電図・レントゲン・エコーなど。頭から覚えるのではなく、まず体が覚えるようになるために、とにかく体験してもらったつもりです。この経験を生かして技術を磨き、頭と体、両方で感じ考えることができるようになってください。

●採血時の針の刺入角度や進め方、点滴の手技や固定方法など、これから回数をこなし、改善し、慣れていかれれば上達していくと思います。

●採血に関して、針を刺す時、不安にならず、必ず入ると自信を持って行う

●今のまま積極的に採血やエコーなどの検査に取り組んでいけば必ず上達します。

●注射準備していただきましたが、バイアルを 1/2量吸う時のやり方が難しかったですね。実際に何度もやっているうちにできるようになると思いますので、頑張ってください。いらないアンプルやバイアルで練習されるとよいと思います。注射器や針の使い方など、繰り返しやってみてください。

●声が少し小さく、お年寄りには聞き取りにくかったと思います。大きな声でゆっくり話してあげてください。小児の点滴の時、一緒におさえていただきましたが、患児への声かけがなかったので、怖がらないように話しかける努力をして下さい。そしてもっと力を入れてしっかり固定していないと危険です。

●患者さんに対して、女性だから優しい声かけはいいこともあるが、地域医療はお年寄りが多く、耳が遠いので、もう少し大きい声で話しをされた方がいいと思いました。

●そこまで指摘できるほど接することができず申し訳ありません。ただ、今の気持ちを忘れず、これからも勉強に励んでいただきたいと思います。この研修で起こったよいことも悪いことも、必ずプラスの出来事であったと信じて欲しいと思います。

●1時間だけの関わりだったので、もう少しリハビリの実際も行ってもらえるとよかったと思います。

●患者さんに接する時、少し表情が硬いように思います。もう少し笑顔で声をかけられればもっとよいのに・・・と思いました。

◎印象に残ったこと

●雪の中の往診。ちょっと可哀想でした。

●初体験である吸引や尿道カテーテルをスムーズにやってしまったこと

●ともすれば苦痛であるはずの待合室実習を楽しんでこなしてしまったこと

●採血や点滴など、どうすればスムーズにできるか努力されていたところ

●外来、往診、訪問看護、デイサービスなど大変だと思いますが、毎日頑張って実習されていたところが印象的でした。

●とても優しくかわいい人です。

●雪を持ってきてくれたようでした。でもなかなか体験できない雪の中の往診を体験していただけたのではないでしょうか。

●可愛らしい笑顔。大久保の出張所で頑張って患者さんに話しかけていてくれた姿が印象に残っています。あのとき頑張ってくれたおかげで、患者さんに遅いと怒られずにすみましたよ。ありがとう。

●真面目に薬を調剤されていたこと。


3月13日の褥瘡(5.0×3.4cm)・・・ラップ療法継続、デイサービス継続にて→


3月27日の褥瘡(4.0×2.2cm)・・・良質肉芽が盛り上がってきました。いい状態です。

学生実習 実習後評価アンケート


【実習期間】 平成18年3月13日(月)〜3月23日(木)

あなたの実習前の目標を教えてください。

地域医療の実際を知る。手技の経験を積む。

◆プログラムの評価

■自習全体の満足度
  悪かった0%                     ↓100%良かった

 大学病院にいては分からなかった、患者さんとの距離の近い医療の実際を体験して、様々のことを知り、とても視野が広がったように思います。また、大学ではほとんどやる機会がなかった手技をたくさん練習できて、目に見える形でも自分なりに成長できたような気がします。患者さんも皆さんとても親切で、やはり先生との信頼関係がしっかりと出来上がっているからだと思いました。全体的にとても実習しやすかったです。

■外来診察実習
  悪かった0%                   ↓  100%良かった

先生の診察の仕方をしっかりと見ることができて勉強になりました。先生と一緒に診察できたらなお良かったと思うのですが、患者さんの数からして時間的にそれは無理ですよね。採血や点滴をたくさんやらせていただけたのがとても良かったです。

■調剤実習
  悪かった0%                     ↓100%良かった

 調剤は今まで見たこともなく、ましてやる機会など病院では全くないので、貴重な経験になりました。今まで病院で実習してきた中でよく耳にした名前の薬の実物を見ることができ、薬の具体的なイメージが湧くようになったのがとても良かったと思います。また、患者さんによっては非常に多くの種類の薬を服用しているということを実感し、そうすると患者さんにとっては分包が便利であるけれども、分包するのはとても面倒だという事実も初めて認識して、新たな発見ができました。

■待合室実習
  悪かった0%                 ↓   100%良かった

 患者さんたちとの会話を通して、この地域の方々の生活の様子を知ることができ、また高齢者の方々とどのように会話をしていったら良いのかを体得することが出来ました。時間的にもちょうど良かったと思います。これ以上長かったら大変だったかも知れませんが、この長さなら皆さんよくお話ししてくださったので楽しめました。

■検査実習
  悪かった0%                 ↓   100%良かった

 エコーをじっくりやらせていただけて、非常に勉強になりました。先生に教えていただきながらできたらもっと良かったと思うのですが、これも他の患者さんをたくさんお待たせしている以上、そうはいかないですね。内視鏡までやらせていただいて、病院では決して出来ない実習が経験でき、とても満足でした。

■出張診療所実習 (板並診療所)
  悪かった0%                   ↓ 100%良かった

 こんなところでも診療ができるのかと驚きましたが、逆にどんなところでも診療は出来るのだということに気づくことができ、新たな視野が広がりました。

■往診実習
  悪かった0%                   ↓  100%良かった
                    

 天気の悪い日が多く、吹雪の中を往診していると往診はハードだという印象を持ちましたが、天気の良い日には周りの景色や地域の雰囲気、花などの自然を楽しむことができて、往診の醍醐味を知りました。また、寝たきりの患者さんが普段家庭でどのような介護を受けているのか、またその家庭による違いなどを見ることができて、患者さんの背景にあるものを知ることの重要性に気づきました。

■愛らんど実習
  悪かった0%                   ↓  100%良かった

 行く前はコミュニケーションをとるのが大変なのではないかと心配していましたが、今回は比較的元気で認知症も軽い方が多かったので、会話もしやすく楽しむことができました。昔からの文化を知ったり体験したりすることもでき、お年寄りからとても多くのことを学べました。またデイサービスの直面している問題も現場で見ることにより、認識を深めることができました。

■訪問看護実習
  悪かった0%                    ↓ 100%良かった
                    

 看護師さんに丁寧にいろいろ教えていただきながら、訪問看護で何をやっているのかを実際に見られて、一人の患者さんに対して様々の人が色々な面からアプローチしてケアが成り立っているのだと実感しました。

■日々の振り返りの記録
  悪かった0%                    ↓ 100%良かった
 
 
 一日ごとにその日のことを整理して考え直すきっかけとなり、実習をより充実したものにすることができたと思います。

◆自分自身の振り返り(学習者自己評価)

■実習の前後の自己評価について教えてください。知識、技能、評価について振り返ってみてください。

実習前の自己評価

実習後の自己評価/達成感

知識
病気一つひとつの教科書的な知識はわずかながらあっても、医療全体に対する知識がほとんどありませんでした。 教科書的なことだけではなく、現場での知識を得ることができたと思います。

技能
採血などはほとんど経験がなく、何ひとつできる手技はありませんでした。 採血や点滴をかなりやらせていただいて、最初よりも自分なりにかなり上達できたのではないかと思います。これからの実習では積極的に患者さんの採血をやりたいと意気込み満々になりました。エコーも基本的な感覚はわかったような気がします。

態度
今までの大学病院での実習では、患者さんもあまり協力的な雰囲気ではなかったこともあり、あまり積極的にいくことができませんでした。 患者さんが皆さんとても親切で協力的だったので、何をするにもとてもやりやすく、患者さんと積極的に関わりあっていく勇気を持てたように思います。

■今後取り組んでいきたい課題があれば教えてください。

診察を適切に上手にできるようにしていきたいと思います。
採血の打率が上がるようにがんばりたいと思います。

◆スタッフの存在

■スタッフの存在があなたの実習に果たした役割について何でも教えてください。

スタッフ

あなたの実習に果たして役割について

看護師さん・事務の方
私の危なっかしい手技を優しく支えてくださって、丁寧に細かく教えていただき、本当に親切な指導を受けました。また実習生活の細かいところまで気を配っていただいて、スムーズな実習を進める上で非常に助かりました。

高瀬さん
毎回わざわざ駅まで迎えに来ていただいて、とても感謝しています。

◆施設について

■施設(食事、宿泊、入浴、通勤、学習)環境について
  悪かった0%                     ↓100%良かった

民宿はコタツもストーブもそろっていて、広々と使えてよかったです。診療所からも近くて便利でした。
ペンションはさらに近い上に、雰囲気も良くてくつろげました。

◆指導者に対する評価

■教育に対する熱意が感じられた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)

何事に関しても常に熱心に指導していただけて、本当にいい先生に出会えたと思っています。

■学習者を理解し尊重してくれた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)

一方的ではなく、常に気を配ってくださり、とても実習しやすかったです。

■指導とフィードバックを適切にしてくれた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)


一日のうちでも度々振り返って丁寧に教えてくださいました。

■積極的に実習に参加させてくれた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)

何でもやらせていただけて、豊富に経験できました。

■知識が豊富で、理解力に優れていた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)

何でも教えていただけて、とても良かったです。

■新しい手技や技術を実例をもちいて教えてくれた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  ○4.やや良い  5.とても良い)

特に傷の処置の仕方を学べたのが印象的でした。

■質問しやすい雰囲気だった。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  4.やや良い  ○5.とても良い)

常に何でも質問できました。

■教材(スライド、プリント、教科書など)を効果的に使っていた。
(1.悪い  2.やや悪い  3.普通  ○4.やや良い  5.とても良い)

必要な本や資料を適宜見せてくださって、勉強になりました。

◆最後に・・・何か言い忘れたことはありませんか

2週間、本当に充実した楽しい実習をすることができました。そしてなにより、素晴らしい先生に出会えたのが本当に良かったです。200%満足な実習ができました。大変お世話になりまして、どうも有難うございました。

実習お疲れ様でした。アンケートのご協力ありがとうございました。


地域医療実習のページへ戻る