研修医研修(地域医療)

2007.4.16-20  地域医療振興協会 東京北社会保険病院 初期研修医 Y.K.


医師になったばかりのY先生。緊張感と若々しさを感じます。
スタッフ一同、元気な挨拶と、謙虚な姿勢にとても好感が持てました。

朝 8:15〜

朝ミーティング
午前 8:30〜

外来実習

担当:畑野

在宅支援

担当:谷川

外来看護

担当:水上

老健介護

担当:山本

調剤/栄養

担当:久保/丸本

昼 12:30〜

昼食、休憩
午後 14:00〜

訪問診療

担当:畑野

訪問診療

担当:中村

出張所外来

担当:中村

老健介護

担当:泉

研修まとめ

夕方 18:00〜

夕方ミーティング

◆プログラムの評価

■自習全体の満足度
  悪かった0%                     ↓100%良かった

 基本的に全てのスタッフが、この地域のことを熱心に考えていらっしゃいました。そしてスタッフだけでなく、患者さんや利用者さんも私に親身に接してくださいました。まだ何の経験もないままに今ここに来て大丈夫か、と不安でしたが、今だからこそよかったと思っています。東京で修行して、元気にまた来させて頂きたいです。ありがとうございました。

■ケアセンター外来見学(担当:畑野)

悪かった0%                      ↓ 100%良かった

 単なる見学だけでなく、採血やレントゲン撮影など、いろいろなことをさせてもらい、満足です。次に来るときは、電子カルテを操作できるようになってきます。患者さんの層を考えると仕方ないですが、もう少し小児が来れば100%でした。

■訪問診療(担当:畑野)
  悪かった0%                    ↓ 100%良かった

 生まれて初めて訪問診療をに行かせていただきました。診察やラップの交換をさせていただきありがとうございました。採血もできてよかったです。何より往診の黒いカバンと、終わったあとに洗面器のお湯で手を洗うという行為が、「往診ぽいなぁ」と感動しました。件数がやや多く、把握しきれなかったのが残念と言えば残念でした。

■在宅支援(担当:谷川)
  悪かった0%                    ↓ 100%良かった
 

 まず谷川さんに、現在の介護保険制度の概略を教えていただいたので、スムーズにケアマネージャーさんの仕事が理解できました。西村さんとそれぞれの家庭を訪問させていただき、医師が他職種との関係を強めることと同時に、専門性を尊重し「教えてもらう」姿勢で臨むことの重要さがわかりました。

■訪問診療(担当:中村)
  悪かった0%                    ↓ 100%良かった

 2日連続の訪問診療で、私の気持ちがどのようになるか興味と不安がありました。しかし、同行なさっていた看護師さんのお人柄もあり、とても楽しい往診となりました。前日より声かけや挨拶はよくできたように思います。慣れてきたのかもしれません。唯一の難点は、スタートした時間が遅く、あまり個々に時間をかけられなかったことです。実際の臨床ではよくあるのかもしれませんが。

■外来看護(担当:水上)
  悪かった0%                     ↓100%良かった

 純粋に「外来看護」だけをみる、という感じではなかったが、それはそれでよかったと思います。なぜならその間に、小児を診させていただくなど、外来一般の研修ができたから。他に圧倒的によかったのは看護師さんに採血の基本を教えてもらったことです。しかもできているところはほめてくれるなど、とても優しかったです。「病院」の看護師さんは厳しいんだろうなぁと不安に思っています。

■出張所外来(担当:中村)
  悪かった0%                  ↓   100%良かった

 出張所の雰囲気は十分に伝わりました。また途中、採血や静注についての指導や実践があったのも非常にためになりました。お褒めの言葉をいただきありがたかったです。ただ1時間という時間制約の中で、事務手続きを含めて全てを終わらせないといけないため、全体的にバタバタしていました。少し一人一人の患者さんについてディスカッションできると消化できたかもしれません。

■老健介護(担当:山本)
  悪かった0%                  ↓   100%良かった

 午前は、入浴のお手伝いをさせていただいたのですが、東京北の老健に比べ、利用者数が少なく、各利用者がゆったりと入浴介護を受けられていました。こちらとしても、せっかくなのでゆっくり入浴される方が気持ちいいですねー、と心の底からいうことができました。
午後は散歩に行かせてもらいましたが、車椅子を同時に2台操作するということができず、申し訳なかったです。分野が違うのかもしれませんが、地域では必要だと思うので、もっと「車椅子操作テクニック」みたいなものを教えて欲しかったです。少し泉さんに教えてもらえたのでうれしかったです。

■調剤/栄養(担当:久保/丸本)
  悪かった0%                   ↓  100%良かった

調剤・・・久保さんが風邪をひいているなか頑張っていらっしゃって非常に刺激になりました。「単に薬を扱うのではなく、その裏の患者さんの情報を扱う仕事」という一言は、薬剤師さんの鏡であると感じました。もう1人「検薬」「服薬指導」の薬剤師さんがいればいいのになあと感じました。

栄養・・・丸本さんは「適当にやっています」と謙遜していましたが、利用者一人一人のニーズや医学的介護的必要性を深く理解されているように思いました。全体として、この方優しいんだなぁととてもよく伝わりました。細やかな仕事ですね。

■その他 (学校健診) (担当:畑野)
悪かった0%                       ↓100%良かった

やはり小児科は好きですし、かつ地域にも興味があります。この2つの要素をダイレクトに感じられるのは学校医としての役割だろうと思います。基本的に健康なこどもさんを見て、こちらが元気になりました。その中でも、三尖弁閉鎖不全症の雑音がうまく聴き取れず歯がゆい思いをしたので、今後精進いたします。


◆施設について

■施設(食事・宿泊・入浴)環境について
  悪かった0%                  ↓   100%良かった
 
 
 食事は毎日出してくださったので心配をせずにすみよかったです。宿泊はきれいな和室でトイレも風呂も最高なのですが、やはり老健の横なので少し音がしました。また日中は荷物をまとめなければならなかったため、いちいち掃除をしなければならず、1ヶ月や2ヶ月の長期になると少し、大変かもしれません。ゴミ箱を用意していただけるともっと助かりました。

(畑野コメント・・・今後センター長室を、研修医・学生研修用の宿泊室に利用する準備をしています。また近くのアパートを契約する予定もありますので、今後にご期待ください)


◆スタッフの存在

■スタッフの存在があなたの実習にはたした役割について何でも教えてください。

畑野先生:とにかく穏やか。この地域の「神様」であるにもかかわらず、おごることが一切ない。常に私のような者にも気を遣ってくださいました。本当に手本とさせていただきたいです。

中村先生:すごく親しみやすい先生でした。それは患者さんに対する口調や姿勢にも現れていて、とても参考になりました。またトークがおもしろく、話していて楽しかったです。

臼井先生:常に私のことを気にかけてもらい、本当に助かりました。老健にいるときも「あっ、臼井先生だ」と、とても安心しました。また「謙虚かつマメ」なところは本当に見習いたいです。

鈴木先生:メールでの対応も細かかったのですが、本当に小さい物事にまで意識を回されていてすごいと感じました。また医師である前に人間として大切な「感情」や「気持ちの変化」に関してとても深い洞察力をもっておられ、すばらしいと感じました。

水上Nsさん:全く能力のない私にも、怒ることなく接してくれてうれしかったです。採血のご指導ありがとうございました。

中嶋Nsさん:初日、手背からの採血を指導してもらったので、往診では無事に成功しました。こういう体験って地味にうれしいです。

滝本Nsさん:採血のご指導ありがとうございました。次回お会いする時は少しでも上達しているようにしたいです。また車中でのトークが結構おもしろかったです。明るいお人柄で楽しかったです。

西村さん:ケアマネの基本姿勢を教えていただきましたが、医師にも通じるところが多く参考になりました。

老健の山本さん、山本君:皆さん「山本」つながりのためか、少し親近感が湧きました。てきぱきと仕事をしながらも、僕にいろいろと相手をし、教えてくださったので、とても楽しかったです。

老健の泉さん、高橋Nsさん:車椅子の扱いが下手でごめんなさい。そしてとても元気に接してくださり、これから頑張ろうと元気が出ました。ありがとうございました。

久保さん:とにかく職人技。かつ「患者さんにとってよりよい医療を」を個人的にいろいろな工夫や努力をされていて、頭が上がりません。唯一無二の存在だと思いました。

栄養士 丸本さん:「一見適当、しかし本当は心優しく、利用者全員を個人個人考えている」と、そういった印象です。私はそういう人が大好きです。


包括ケアセンターいぶき地域医療研修のまとめ

※この1週間の研修で印象に残ったこと、出来事を挙げてください。その中で一番印象に残ったことに○をつけてください

・合計20ヶ所ほど訪問診療に行かせてもらったこと
・採血や静注などの手技を指導してもらったこと
・朝が寒く、伊吹山の山頂付近が雪に覆われていたこと
・前夜長岡の駅に到着後、バスが全然なく、畑野先生に迎えに来ていただいたこと
・地域の方にとってのこのセンターが、いかに不可欠であるかを感じたこと
○若い研修医に期待されている能力は、結局、しっかりと人の話を聴く能力、聴きやすい環境を作る能力であるということ
・小学校の健診

※今回の研修で評価できることを教えてください

とにかく「自分がこのセンターで末端の者である」ということを繰り返し頭の中で考えるようにしました。そして自然に係わった人全ての人に挨拶ができたような気がします。どんなに経験を積んでも謙虚さを持ち続けられるようにしたいと思います。また毎日、個人的に振り返りをすることができたのもよかったです。

※今回の研修の反省点があったら教えてください

・手技のひとつもできない
・薬の名前すらほとんどわからない
・疲れてくると受け答えの元気さや質問の数、集中力が減ってしまう

※今回の研修を通して何か今後の目的は浮かび上がりましたか?

・やはり医師として最低限の基本手技は、早くできるようになりたい
・外来患者さんの鑑別疾患を考えられるようになりたい。
・薬の名前を多く覚えて、重要な相互作用を常に記憶に留めたい
・老年医学全般や介護のことも少しは(最低限の知識は)勉強したい

※その他なんでもどうぞ

この時期に来させてもらって大丈夫か、という不安がかなりありましたが、皆さんが優しくかつ熱心に対応してくださったので、2日目にはもう慣れている自分がいました。今後少しは経験を積むと思いますが、今年10月(1ヶ月間)と、来年9〜10月(2ヶ月間)にまた来ますので、どうぞよろしくお願いします。少しでもお役に立てるよう修行してきます。


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