日々の記録


第1週目   地域を知ろう

■8月7日

午前

午後

夕方〜夜

 民生委員への講義

 挨拶              

周辺施設の見学

歓迎会

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

施設内の概要を知ることができた。

多くの職員の方とお話ができなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

これからの1ヶ月間がとても楽しみです。

診療所を受診される患者さんのニーズ。

■8月8日

午前

午後

夕方〜夜

 周辺施設の見学(診療所など)

伊吹山登山

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

周辺にある診療所の名前。

伊吹大根というものを知りました。

伊吹山の花の名前がわからなかった。

もう少し予習してから登るべきだった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

少しずつ伊吹という地域のイメージがつかめてきた。部長さん、今日一日ありがとうございました。

明日の外来に備えて予習。

■8月9日

午前

午後

夕方〜夜

 看護実習

伊吹診療所での外来

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

成人の採血、静脈路確保。小児科でしか実習をしていなかったので、成人は初めてでした。

外来で対応できるだけの知識が、まだ不足しているようです。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

一人の医師として責任のある診療ができるだけの知識、技術を身につける必要性を強く感じました。

医学知識・技術

■8月10

午前

午後

夕方〜夜

周辺探索

周辺探索

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

長浜(長浜城、黒壁etc.)、彦根(彦根城)を探索し、伊吹周辺の歴史や文化に触れることができました。

関ヶ原まで足を伸ばす時間がなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

中世から交通の要所で、歴史の蓄積がある地域で、その歴史の一端に触れることができて楽しい一日でした。

生活習慣病とも関係が深い食文化について勉強したいです。

第2週目  地域の保健・医療・福祉のリソースを知ろう

■8月13

午前

午後

夕方〜夜

愛らんどデイ

愛らんどデイ

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

デイを初めて見学しました。デイがどのようなものであるか割合理解できました。

利用者さんの名前を覚えられなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

デイを楽しみにして通っておられる利用者さんが多いことに驚くとともに、デイの重要性を発見しました。

福祉施設と医療施設がどのように連携を取り合っていくのが最適であるか考えてみたいと思いました。

■8月14

午前

午後

夕方〜夜

訪問介護

訪問入浴

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

訪問介護、訪問入浴を初めて見学することができた。

積極的に参加できなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

病院や診療所を離れた後、患者さんがどのように自宅で生活されているかよく理解できた。国が在宅医療を推進する中で、在宅における患者さんの現状を把握することは有意義であると思いました。

福祉制度について理解していない部分も多いので、勉強してみたい。

■8月16

午前

午後

夕方〜夜

外来看護

伊吹診療所

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

看護師の外来での業務について理解できた。これまで小児科でのみ実習をしており、成人の採血や静脈路確保をしたことがなかったので、上手にできて良かった。

医学知識が不足しており、薬を処方できない。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

まずはしっかりと医学知識をつけることも大切と感じました。

 

第3週  ケアセンターいぶきにおける医療・福祉を知ろう

■8月21

午前

午後

夕方〜夜

 老健実習

老健実習

歓迎会

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

老健の業務を理解できた。

積極的に参加できなかった部分もあった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

認知症の利用者さんの数が多いことに驚いた。医療と福祉で要求されているもので、共通のものも多く、学ぶことが多かったです。

福祉についてもっと勉強したいです。

■8月22

午前

午後

夕方〜夜

薬剤部

栄養科

在宅支援

訪問リハ

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

スタッフの方に積極的に質問できた。

在宅支援に何が必要か自分で判断できないことがあった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

薬剤では、効率よく作業するために配置に工夫する必要があることを学びました。

栄養では、メニューを細かくチェックしておられるのを見て、1食毎に細心の注意が払われていること感じられました。

在宅支援やリハで大きくQOLが変わることに気がついた。在宅では医療以外の部分のしめる割合がとても大きいと思いました。

在宅支援の際の、プランの建て方

■8月23

午前

午後

夕方〜夜

訪問看護

伊吹診療所

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

2時間半で9人の患者さんが来院したが、上手に対応できた。

訪問看護の仕事を理解できた。

知らない薬剤の名前が多い。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

訪問介護、訪問リハ、訪問看護の連携が上手に出来ていると感じました。

看護師の業務というと、病院での看護しか知らなかったので、幅広く活動する場があることを知って勉強になりました。

9人の患者を2時間程度で診療できるようになりたい。

■8月24

午前

午後

夕方〜夜

リハビリ

リハビリ

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

PT, OTさんの仕事内容、患者さんを治療する方向性を少し理解できた。

どのような患者さんがリハの対象になるかということ。

患者さんのどの部位に障害があるかわからないことがあった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

リハの占める役割の大きさを実感しました。これまで、リハについて考えたことはあまりなかったのですが、ADLを一番改善できるのはリハなのかもしれないと感じました。

PT,OTさんへの適切なオーダーの出し方。

■8月26

午前

午後

夕方〜夜

かっとびマラソン

かっとびマラソン

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

何事もなく2合目での任務を遂行できた。

外傷には対応出来ないと感じた。

まだまだ勉強不足であると感じる。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

医師としてスキルを地域に還元するよいチャンスだと感じた。

今後も積極的に参加していきたい。

外傷の処置。

第4週  自分のしたいことを見つけてやってみよう =診察

■8月27

午前

午後

夕方〜夜

外来診療

米原市の議員へのケアセンターの説明

往診

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

議員がどのようにケアセンターについて考えているか少しわかった。

往診の内容や手順が一通りわかった。

往診の患者さんの情報を予め入手しなかったので、円滑に診察できなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

往診が単なる家での外来でないことに気づいた。センターの外来では見せないその人の家での生活を垣間見ることができ、患者さんを総合的に診る際にはとても大切なことであると感じた。

市町村におけるセンターの役割。

■8月28

午前

午後

夕方〜夜

ほほえみ

ほほえみ

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

ほほえみでの業務を理解できた。

NPO法人というものの趣旨や活動内容がまあまあ理解できた。

社会協議福祉会でのデイサービスとの大きな違いがわからなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

NPO法人による様々な活動が活発になって久しいが、地域においてNPO法人がデイサービスを行うことは、サービスを施行する側にとってもサービスを受ける側にとっても望ましいものであると思った。高齢化社会において、ひとつのあるべき姿なのかもしれないと思いました。

地域に置ける他のNPO法人の活動。

■8月29

午前

午後

夕方〜夜

外来実習

診療所実習

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

中村先生の診察を見て、診療所でどのように患者さんに接すればよいか勉強になりました。

患者さんへの対応がまだ円滑にできないこと。

カルテを見て、患者さんの経過を把握するのに時間がかかること。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

診療所で求められているスキルが病院と大きく異なることに驚きました。患者さんの仕事に配慮する必要があるということがわかったのが一番大きな収穫でした。

 

■8月30

午前

午後

夕方〜夜

外来実習

診療所実習

 

@今日できたこと、うまくいったこと

A今日うまくいかなかったこと、失敗したこと

今までの診療所実習のなかで一番早く患者さんを診察することができた。

降圧薬の必要な患者さんを説得することができなかった。

B今の気持ち、感情、気づき

C今後学びたい内容・課題

患者さんを説得する難しさを感じた。医学的な判断だけでは説得は容易ではない。

患者さんに納得してもらうための方法。


   研修を終えるにあたって                     東京K病院 ○○○○

   今回、地域医療振興協会と東京K病院の仲介により、同じ地域医療振興協会に所属する地域包括ケアセンターで8月の1ヶ月の研修に参加する機会を与えていただきました。
   これまで伊吹という地域は夜に車で通過したことがあるのみで、ケアセンターはもとより地域の文化にも全く触れたことがありませんでした。このため様々な好奇心を抱きながら、伊吹に参りました。
   ケアセンターに参るにあたって、最も興味をもったのは地域包括ケアセンターという名前の包括という部分です。地域やケアセンターという名前の入った施設は全国に多数あると思いますが、包括という名前の入った施設はほとんどないと思われます。「何の包括なんだろう?」と思いをめぐらせました。
   初日に畑野先生が、米原市の民生委員の方々に講演をされる際に、同行させて頂きその説明を聞きました。内容はケアセンターの活動を旧・伊吹町のかた以外にも知っていただくという趣旨だったと思います。そのときは、包括というのは色々な活動をやっているということを漠然と指しているということ以上のことは理解できませんでした。しかしその後の研修を経るに従い、保健・医療・福祉という垣根を取り払い、総合的に対応していく、その中心施設のひとつという意味での包括ということがわかってきました。
   保健・医療・福祉というのは今の日本では互いに別のものという意識がそれぞれの従事者の間には強いと思います。特に都市部では、医療の中でも診療科や施設によって互いに異なるという意識が強いと思います。それは専門性が高いという言葉で表現することもできると思いますが、果たしてそれで患者・利用者側からとって幸せなのでしょうか?
   患者・利用者にとって、保健・医療・福祉というのは連結しているものという意識が強いはずです。少なくとも、従事者が思うよりも一貫したサービスを受けたいと思っているはずです。例えば、ある高齢者が脳卒中になり入院して、治療・リハビリを受け、その合間に予防接種を受け、退院後はそのまま介護などのサービスを受けるというように・・・。現時点では医療と福祉の連携や移行が円滑に行われているとは思えません。そのような中で、包括的に見るという視点はとても大切であります。
   それは地域という限られた領域で活動しているからというだけで容易にできることではないと思います。様々なスタッフ同士が密に連携をとることが不可欠であります。センターで最も感銘を受けたのは、どの職員の方も患者・利用者さんの情報をかなり共有していることです。だから、包括的に対応することが可能なのかもしれません。
  次に地域の医療情勢というものについて感じたことを書きます。昨今、地域の医師不足が声高に叫ばれています。特定の診療科では都心の大病院でも医師が逃散して、研修に支障をきたしているという話をよく聞きます。地域で唯一の中核病院が崩壊して遠方まで搬送しなければいけなくなったという話をよく聞きます。
   今回伊吹でお世話になって感じたのは、伊吹というのは専門医療を必要とする患者を搬送するのに条件がとても恵まれているということです(長浜まで15分程度)。専門医療を受ける際の利便性というのも、地域医療を語るには避けて通れない課題です。それは地域だけですべての患者さんに対応できるわけではないからです。専門医療の利便性については、行政が占める割合も大きいですが、目の前にそれを必要とする患者が現れたとき、その患者を案内するのは地域にいる医師なわけです。このため、地域で働く医師にはその対応ができるだけの専門施設との連携、救急処置などの能力が求められると思います。
   来年も2ヶ月間こちらでお世話になる予定ですが、地域に溶け込んで包括的な活動ができるように頑張りたいです。2ヶ月で学ぶべき課題・目標は、来年の7月までに僕に課された宿題です。  1ヶ月間ありがとうございました。