医学生地域医療実習

2007.10.1〜4 滋賀医大5年生 M.Y

10/1〜10/

 

8:15

朝ミーティング

午前 8:30

外来実習

担当:中村

調剤・栄養

担当:久保・丸本

在宅支援

担当:西村

老健介護

担当:阪東

 

 

12:30

昼食、休憩

午後 14:00

訪問診療

担当:畑野

在宅看護

担当:北川

出張診療所

担当:中村

老健介護

担当:阪東

 

 

夕方 18:00

 

 

 

 

 

(プログラム作成は中村先生)

 Mさん、実習お疲れ様でした。非常に素直な方で、教えたことをぐんぐん吸収していかれたように思いました。まっさらな白い画用紙のようで、教える側の色にいくらでも染まってしまいそうでした。できるだけ「住民の立場」に立った医療や介護を学んでもらうことを目標としました。おそらく大学とは全く違う実習になったと思います。またいつか、立派なドクターとして活躍されることを切に祈っています。また、地域医療に興味があるようでしたら、いつでも相談してください。(畑野)

200710月1日 天気(曇り)

◆経験したこと
<午前中> 外来単純X線撮影の見学(胸部、下腿部)X線写真の読影上部内視鏡の操作心電図測定採血、皮下注射
<午後> 往診採血、皮下注射、聴診、血圧測定褥瘡ケア

  印象に残ったこと
・傷の縫合を、外科でなくても行うこと。
・内視鏡操作が非常に難しかった。
・往診の患者さんは、脈が弱く聴診器を当てても音が小さく、血圧を測定するのに難儀したこと。また今までこんな細い血管からは採血できないだろうと思っていたような血管からも採血が可能であるのを知った。

・採血をするとき、実習生であることで患者さんが嫌な顔をするだろうと予想していたが、皆さんとても好意的で協力してくださった。
・スタッフ全員が仲良しで、雰囲気が良い。
戸惑ったこと
・肺の聴診で、雑音をうまく聴き取れず、いまいち確信がもてない。
・自己紹介・挨拶のタイミング。

・患者さんが厚着をしている場合の血圧測定。
  疑問に思ったこと
・在宅で介護をしている家族の経済的負担。
◆ 今日の気持ち
・さまざまな領域の患者さんが来られるので、専門分野だけに偏らない、幅広く総合的な知識・技術が必要だと思った。
・今まで大学病院で実習をしていて、病院まで自力で来られる比較的元気な患者さんばかりを診ていたので、在宅で介護を受けているような患者さんのことを今回、改めて真剣に考えることができた。
  次回の目標
・注射を打つ際、シリンジの固定を確実に行えるようにする。
・失敗せず1回で採血できるようにする。
・痛くない注射の打ち方を習得する。
・明るく元気に挨拶する。
・先生が患者さんとどのようにコミュニケーションとっているのかに注意して聞く。

200710月2日 天気(曇りのち晴れ)

◆経験したこと
<午前中> 
・調剤: オーダーを受けた薬を薬棚の中から選び、適切に分包する。胃ろう患者さんのために、錠剤を粉末状にする過程を見学。
・栄養管理 老健の入所者さんの食事プランの立て方、またその評価。糖尿病を合併した胃ろう患者さんに対する経管栄養剤の評価。
<午後>
訪問看護 2件
バイタルの測定(体温、血圧、脈拍、呼吸状態)
体の清拭、褥瘡部分のケア、口腔ケア。服薬状況の確認。
  印象に残ったこ
朝食がおいしかった。
訪問看護では服薬状況までしっかり確認していて、服薬指導も行っていた。これなら、ご家族も安心していられるだろうなと思ったが、なかには薬を見せたがらなかったり隠してしまったりするご家族もいるらしい。こういうことも、患者さんとの信頼関係が築けていなければ上手くやっていけない、と教えてもらった。
訪問看護の患者さんの負担は1割。
戸惑ったこと
フィブラストスプレーの値段の高さ(1ml 1万円)
様々な薬がたくさん入った薬棚から、目当ての薬を探し出すこと。
小さな錠剤の数を数えること。
  疑問に思ったこと
保険制度がよく分からない。
◆ 今日の気持ち
体が自由に動かない患者さんのおむつの替え方、服の着替えさせ方が全然分からなかった。患者さんにとって日常生活の一番重要な部分なのに!こんなこともできないのか、と自分が恥ずかしくなった。けれど、今回の実習のおかげで、訪問看護の一連の流れを覚えることができた。
また、患者さんがほとんどの時間を一緒にすごす家族に、介護の仕方のアドバイスをすることも重要な仕事の一つだと思った。
薬剤師さんから、漢方についてもっと教えてもらいたかった。
栄養管理師さんから、カロリーの計算やタンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー比率の計算の仕方を教えてもらったので、普段食べている食事を計算してみようと思う。
  次回の目標
患者さんの名前を覚えて、名前でよびかける。

2007年10月3日 天気(曇り) 

経験したこと
<午前中> 介護保険制度についての説明在宅支援施設サービスの見学
<午後> 出張所外来待合実習(患者さんとおしゃべり)検死
  印象に残ったこと
・在宅支援サービスでは、デイサービスやリハビリなどを受けたがらない方の場合(病識がない方など)、サービスを受けてもらうのに半年や一年といった期間がかかることも考えて、長期的にマネージメントしていかなければいけないこと。
・「入院をするのは絶対に嫌だ」とおっしゃられている方がおられた。やはり自宅が一番落ち着いて、心が休まる場所なのだ。身体に不自由なところがあっても、すぐに治療を受けられる病院よりも、住み慣れた家で余生を送ることがその人の人生にとって幸せなのだなと感じた。
・「あったかほーむかせの」では、建物自体が民家を改修して作られていることもあり、自分の家のような雰囲気で、利用者がとても和やかに楽しくレクリエーションをされていた。また、曜日によって、調理実習や、子育て支援も行われており、地域との関わりとはこういうことなのだな、と思った。
・診療所で、患者さんがたくさん話しかけてくれたこと。
戸惑ったこと
サルや、イノシシの大群が出没すること。畑のサツマイモが全て、イノシシに食べられてしまったと、診療所の待合室で患者さんから聞いた。
  疑問に思ったこと
・伊吹にはイノシシ料理がありますか?
・死斑は消えるのか?
◆今日の気持ち
ケアマネージャーさんから、とても親切に説明していただけて、介護保険の制度、在宅支援のしくみ、個々のケースにおける対応の仕方など、よく理解できた。病気だけを診るのではない全人的な医療、と言葉では分かっていたつもりだったが、ご家族やご本人の気持ちを実際に聞くことで、初めて本当の意味で理解ができたと思う。
大学の臨床実習で初めて受け持った抗がん剤治療中の患者さんが、「自宅に戻って犬の散歩に行かなければいけない」といって、結局自宅に戻ることなく翌週病院で亡くなってしまったことを思い出した。病院で治療を継続するか、自宅で療養するか、医師にとっても患者さんにとっても選択は難しいと思う。けれど、独りよがりな意見を押し付けることなく、患者さんの意志を尊重したい。
  次回の目標
死体現象についてまとめる。
コメディカルの方々の意見をよく聞く。

200710月4日 天気(晴れ)

◆ 経験したこと
<午前中> 申し送りオリエンテーション入浴介助食事介助排泄介助
<午後> 吸引の見学おむつ交換入所者さんと交流食事の準備
  印象に残ったこと
会話ができて一見普通に見える方でも、認知症のため放尿など問題となる行動をされる方がおられること。一見普通に見えるっていうのを実際に経験して、認知症の場合、たまにしか会わないご家族は病気だと認めたがらないことがあるのも、分かる気がしました。
  戸惑ったこと
衣類着脱介助や洗身介助で、どこまで手伝ったらよくて、どこまでをご自分でしてもらうのかの加減が難しかった。全て介助してしまったら自立につながらないので、スタッフさんの見よう見真似で悪戦苦闘しました。また、タオルやスリッパを浴室に置き忘れたりで、スタッフさんには助けてもらってばかりでした。
  疑問に思ったこと
食事をなかなか食べたがらない方の場合、どうしたらいいのでしょうか? 全然食べなければ必要カロリーを取れなくなります。けれど、無理して食べてもらうのもかわいそうで・・・。
  今日の気持ち
問診や訪問看護、診療所実習で多くの患者さんと接する機会があり、以前よりも、患者さんと会話をすることに慣れてきたと思います。
また、ケアセンターの皆さんがとても親切で、質問にも嫌な顔せず丁寧に答えてくださり、中身の濃い実習をさせていただきました。
たくさんのことを学べたのと同時に、4日間とても楽しく過ごせました。
どうもありがとうございました。
  次回の目標
今回学んだことを大学の皆と共有し、また、医師になったときに活かしたいと思います。