市民公開講座

在宅ホスピス緩和ケア

地域から医療福祉を考えるフォーラム
第8回滋賀在宅ホスピス緩和ケア研究会

日時 平成23年2月6日
場所 滋賀県立文化産業交流会館 小劇場


講演

「在宅看取り40%の地域からのメッセージ
〜温かい医療やケアを目指して〜」

地域包括ケアセンターいぶき (医師) 畑野秀樹

   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   


パネルディスカッション

「がん患者さんの終末期医療・ケア
〜湖北での取り組みと課題〜」

(パネリスト)
仁添 智恵子氏 (ご家族の方)
垣見 留美子氏 (長浜赤十字病院 訪問看護ステーション 訪問看護師)
川並 陽子氏  (ケアマネジメントセンター・ライフ ケアマネージャー)
山添 久子氏  (特別養護老人ホーム アンタレス 施設長)

(コーディネーター)
伏木 雅人氏 (市立長浜病院がん対策推進事業部責任部長 放射線科責任部長)
畑野 秀樹氏 (地域包括ケアセンターいぶき センター長)

   
   
   

〈アンケート結果〉  67人から回答
基調講演、パネルディスカッションをお聞きになってのご意見、ご感想
○医療関係の方
 ・医療、保健、福祉が連携しなければ在宅では支えきれないと痛感している。自分の事業所も地域ニーズに応えられるよう在宅医療を支え続けたい
 ・多くの職種、施設の連携で緩和ケアが行われている事が理解できた。
 ・在宅チームの中に当たり前のように薬剤師が入れるようこれからも頑張りたい。
 ・世代を超えた命の教育、医療・ケアを通じた地域づくりの取り組みだと感じた。
 ・家族の方の生の話が心にしみた。医療者として見つめ直すきっかけとなった。
 ・自分も役に立っていると感じられた
 ・家族の方の話は、福祉・医療のサービス提供者にとってすごく力になったメッセージであった。
 ・24時間体制の必要は痛感するが、現状のマンパワーでは支えきれないこともわかって欲しい。
 ・地域包括の役割がとても理解できた。
 ・湖北地域は独居や老老介護が多く在宅で介護するにはサポート体制が少ない。もっと充実させるべき。
  介護=負担のイメージはまだ多い。他職種の協働は重要と思った。
 
 ○福祉関係の方
 ・在宅での看取りについては、各職種が知恵を絞り、ご本人ご家族に対して支えようという心構えで接しておられるのがよく理解できた。
 ・末期がんの方の過ごすところは、何も病院でなくてもよいのだと痛感した。
 ・湖北地域は、開業医の先生方も在宅看取りをされていて、本当に安心できるよい地域だと感じている。
 ・ショートスティでも看取りケアをされていることを始めて知った。
 ・人がその人らしく生き、死んでいくためにはとても大切な支援だと感じた。自分たちも頑張らねばと思った。
 ・家で看取られた体験談は、ご本人の生き様が次世代に繋がれ、役割を全うされたと感じた。その場に臨まれた家族の思いは子や孫に引き継がれていくものと実感した。自らもそうありたいと念願する。
 ・成功例だけでなく、失敗例からも学ぶことはあるので、色々な事例から学びたい。
 ・医師や職種のトップの方達の理想はわかるが、それに答えようと苦悩する現場職員の苦労もわかって欲しい。
 
○一般市民の方
 ・関係者だけでなく、住民の方達も、医療だけでなく地域づくりだと考えておられることはすばらしいことと感心した。
 ・他者への思いやりが安心を生むということが、ターミナルにおいても大事とわかった。
 ・「納得して最期を迎える」ことは一人一人の置かれている状況で違う。身近に20代でがんで亡くなられた人を経験したが、在宅へとなったとき“主治医に見放された”と悲嘆されていて、我が身に置き換え不安だったが、それぞれの立場の方々の努力を知り、自分のこれからの生き方をしっかり考えていきたいと思った。
 ・色々なサービスがあることを知り、それぞれの立場での考えや努力を知り、大変参考になった。
 ・色々な施設、サービスがあって、しっかり連携がとれている地域に住んでいることを実感した。何もかも病院任せにせず、家を支えてくれた家族(本人)のためにできることを、自分たち自身も改めて考えていきたいと感じた。
 ・今の日本の政策の中では、「家族ありき」「家族がしないでどうする!」という、ある意味で家族を追い込むものが前提にある。社会全体で個人個人を支えられる力が育つ事も大切と感じた。
 ・重症や独居老人を家に帰らせるのはやはり不安。在宅看取りは、まだ理想のように感じる。現実は難しい。
 ・在宅で親の面倒を見るのは、みんなが疲れ果てて人間らしい生活が難しいと思う。サービスを利用しながらの在宅ならよくわかる。色々な人の価値観があり様々なスタイルがあってよいのではないか。
 ・施設、ショートスティでの看取りが可能であるということは、初めて知り選択肢が増えたと感じた。安心できる材料がまた一つ増えた。
 ・人生の終末期に利用できる資源が色々あり、自分の希望により選択できる時代になってきた事がわかり嬉しい。親を看取る時期になり不安は大きいが、まずはケアマネージャーさんに相談することにします。
 
○行政関係の方
 ・利用者の看取りをきっかけに他職種との連携が深まり、在宅ケアがより専門的に充実していくことはとても良いことと思う。地域全体に広範囲に連携が広がることが大切。
 ・医療と介護の連携はもちろん、身近な人たちとのつながり、地域づくりも在宅で過ごしていく上で大切だと思う。
 ・在宅医の力は大きいと感じる。チーム医療の現場がよくわかった。