NPO法人滋賀医療人育成協力機構
滋賀医科大学 里親学生支援室

夏の宿泊研修 2日目企画
「地域の人と語り合おう」 タウンミーティング

2013.8.29 米原市上板並 万傳寺

京都新聞で記事にしていただいています。
 滋賀医科大学が地域医療を担う医師や看護師を育てるために、数年前から企画されているイベントです。現在は医療人GPが終了し、NPO法人を立ち上げて、会員からの会費によりこの研修を続けていらっしゃるそうです。滋賀県を6つの地域に分けて、春と夏の2回、県内の病院や診療所、観光地を巡っているそうです。

 今回は、初日8月28日には、伊吹山登山、米原市醒ヶ井の水の駅・バイカモ見学、彦根市立病院の見学があり、夜には講演会と交流会が開催されました。講演会では、平尾 米原市長、馬淵 米原市福祉支援局長、日村 彦根市立病院副院長のお話もありました。2日目である8月29日は、米原市上板並でのタウンミーティングを行い、午後から彦根城見学、豊郷病院見学が予定されています。
リンク:里親支援室のHP
 数か月前から滋賀医大の垰田先生、中森さんに依頼を受けていたこの企画ですが、近づいてくるにつれ、うまくいくのか正直心配していました。医学生さんと地域の住民とワークショップがうまくできるかなと。しかしやってみたら心配無用でした。

 今回の企画は、私(畑野)が、上板並区の伊賀並正信さんに、「タウンミーティングをしたいのですが、住民と場所を使わせてもらえないでしょうか?」と伺ったところ、一つ返事で快く引き受けてくださり、その後の昼食についても用意したいと申し出ていただきました。伊賀並さん夫妻をはじめ、今回の企画に協力していただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
 
今は住職のいない万傳寺・・・下見の時
 
中の様子
 滋賀医大から12名、自治医大から4名の学生さんの参加がありました。また東京北社会保険病院初期研修医のO先生、昨日から3日間の早期体験実習に来ている滋賀医大1年生のSさんにも参加してもらいました。みなさん、非常にまじめな学生さんで、前日の交流会においても、大勢の前で自己紹介や自分の将来の夢をはっきり話されており、将来が非常に楽しみな逸材でした。
 
境内にバスが入ってきました。右にあるプレハブが
上板並出張所です。
 
学生さんと住民さんの顔合わせ
 
地元のお寺でやるというのがよかったようです
 
伊賀並さんありがとうございました
はじめに畑野からあいさつ、続いて地元の人を集めていただいた伊賀並さんのほうから挨拶をいただきました。この研修の目的は、@滋賀医大・自治医大の学生さんに「地域で医療すること」を学んでもらうこと。A米原市上板並の魅力を知ってもらうこと、B地域包括ケアセンターいぶきと地域住民とのかかわりについて知ってもらうこと。
 
お寺の中で5つの班に分かれて、
 
グループワークをしてもらいました
 
地域の方々の参加は20名を超えました
 
   
5つの班に分かれ、はじめに自己紹介とアイスブレーキングを行った後、地域の魅力について」グループワークをしてもらいました。司会進行は学生さんたち。はじめはちょっとぎくしゃくした感じもありましたが、すぐになじんで、あちこちから笑いが漏れてくるようになりました。地域の皆さんにとっても、自分たちのホームである「地域のお寺」が会場になったことで、話しやすかったのではないかと思います。2代目のテーマには「ケアセンターいぶきと地域住民の関わり」についてグループワークをしてもらいました。
 
各班で出た意見をまとめて学生さんに発表してもらいました。
 
学生さんから意見や感想
 
相見先生から、まとめのご挨拶
地域の魅力・・・自然が豊かなところ。春夏秋冬の風景がすばらしい。人情味があるところ。高齢者が仕事をしていると、何も言わなくても若い人が助けてくれる。雪が積もっても、地域の人が協力して除雪してくれる。薬草を干して煎じて飲んでいるので元気。畑に歩いて行けるので足腰が丈夫。車に乗れれば、長浜に行ったり、米原駅に行ったりも容易で交通のアクセスがいい。近くにはケアセンターがあるし、長浜市民病院、長浜赤十字病院にも近い。
地域包括ケアセンターいぶきと地域住民とのかかわり・・・安心して診てもらえる。丁寧に診察してもらえるし、気楽に話せる。何でも聞いてくれる。外来は出張所でもセンターでも診てもらえる。通院できなくなったら往診してもらえる。介護が必要になったら、施設に入所させてもらえる。急性期は長浜の病院で診てもらうが、安定すると地元に紹介してケアセンターで診てもらえる。何でもケアセンターの先生に相談したら、適切に専門医に紹介してもらえる。自分の親も診てもらったし、私たち夫婦も診てもらっているし、娘たちも、孫たちも診てもらえる。院内で薬が処方してもらえる。

ただし出張所だと院外処方なので不便に感じる。院内処方のほうがいい。待ち時間が長いので、1〜2時間に1本のバスに間に合わないときがある。ずっと先生はいてもらえるのか? 出張所が廃院になったら困る。
ケアセンターいぶきの役割として、地域住民が安心して暮らし続けてもらうための活動があります。外来や往診など医療のほかに、住民の生活を支えるためのケアマネ、訪問看護、リハビリ、ショートステイ、入所、デイケアといった介護保険サービスの提供をしています。私たちの合言葉は「地域が病院であり、電話がナースコール、道路が廊下」ということで、24時間体制で連絡が取れるようにしています。一人暮らしであっても、認知症になってもがんになっても、「この地域に住んでいてよかった」と言ってもらえるなら、私たちには最高の褒め言葉をいただいたものと考えています。

昼食

 
バイキング形式で
 
天然イワナのから揚げ
 
地元野菜のてんぷら
 
酢さば、小鮎の南蛮漬け
 
豆腐田楽
 
地元野菜の盛り合わせ
 
わさびいなりやマツタケご飯
 
おいしい昼食に満足の様子
今回のタウンミーティングの後は、伊賀並さんや鹿取さんのご厚意により、昼食を用意していただきました。伊賀並さんたちが伊吹の渓流で釣ってきたイワナのから揚げなど、地元の食材を使ったおいしい料理に、みなさん大変満足していただけました。『食』を通したおもてなしの心が、学生さんたち(の胃)に強烈に伝わったものと思います。ご厚意、本当にありがとうございました。
この後、彦根城を目指して学生さんたちは出発して行かれました。医学部の学生さんたちみんなが地域(田舎)で働いてくれとは思っていません。医学生の時も医師になってからも、なかなか一般住民と同じ目線で話せる機会は作ることは難しいと思います。同じ人間として分かり合おうとする気持ちはとても大切で、そのような相手を思いやる気持ちを持ったドクターになってほしい。そしていつか伊吹に来た際に「学生時代、伊吹に来たことがあったなぁ」と頭の片隅に思い出してくれれば、それで十分です。 今回訪問してくれた学生さんはどの学生さんも、非常に真摯で優しい人たちでした。このような若者であれば、私たちも安心して歳をとって若い世代に任せることができるなぁと思いました。

またいつか会える日を楽しみにしています。貴重な機会をありがとうございました。  (畑野秀樹)

学生の感想と意見等 

(感想)
滋賀医科大学 医学科1年生 
 正直、参加前は彦根城とひこにゃんという地域医療を学ぶということよりも観光に気を取られていた部分も大きかったのですが、彦根市立病院ではカンファレンスの見学や緩和ケア病等の見学、ケアセンターいぶきでは地域の方々と直接語り合う場所を設けていただいたり、最後の豊郷病院では精神科病棟を見せていただくなど、普段の座学では得られない貴重な体験をさせていただきました。さらに、滋賀の地域医療という目標を同じくする自治医大の学生さんと色々とお話しできたのが一番の収穫でした。また彼らと再会できることを楽しみに、これからも機会が許す限り参加していきたいと思います。
 そして、私たちが短時間の見学をさせていただく為に非常に多くの方々が事前に準備され、温かく迎えていただいたことに心から感謝するとともに、私たちが将来の地域医療を支えていくことへの期待をひしひしと感じました。また、実際に活躍されている先生の表情からは求められている所で仕事をすることの幸せについても感じました。これから医師として自立するまでには先は長いですが、今回感じた温かい期待に応えられるよう努力していこうと、モチベーションが上がる良い研修となりました。
 
滋賀医科大学 医学科3年 
今回は4回目の参加です。
今回の研修で特に勉強になったのは、地域の方の生の声を聞けたことです。
二日目の午前中、伊吹ケアセンターに通っておられるお年寄りに集まっていただき、お話する機会を設けていただきました。
その中で、普段の生活についての本音を伺えたと思います。
例えば、米原のこの地域は冬になると積雪がひどいこと、寒さのなか、
雪をかき分け、屋根に登り雪を落とさなければならないこと。それは特に一人暮らしの女性にとって、肉体的に非常に厳しいです。しかし驚いたのが、それ以上にそのことが、精神的な負担になっているということです。調子の悪い時は憂鬱で、ふさぎこんでしまうこともあるそうです。
それでもこの地域が、地域の人々が好きでここに居たいとおっしゃっていました。
医療者として患者さんをどのように支えていくべきか、そのヒントは普段思っておられることや辛かったこと、嬉しかったことなどに隠れているのではないでしょうか。
このような機会を設けていただき、ありがとうございました。
 
滋賀医科大学 医学科1年 
今回の研修旅行で滋賀の地域医療に触れることが出来ました。特に印象的だったのが万伝寺での交流会でした。ここで感じたのは地元の方の畑野先生への信頼でした。皆さん現在の医療体制に満足され先生に感謝されていまた。しかし、同時に将来への不安も抱いておられました。もし歩けなくなったら在宅医療が出来るのか、もし先生がいなくなったらどうなるかなどでした。今は先生たちや県の職員の方の働きによって地元の方に安心感をもたらすことが出来ていますが、医師の数が十分だとは言えません。先生たちに続く医師が必要とされていると感じました。医師への必要性は万伝寺だけでなく、訪問する先々で感じたものでした。それぞれの場所で皆さんとても熱心に魅力を伝えて下さいました。一緒に地域をよりよくしようという職員の方の気持ちを感じました。僕は今回の研修で感じたことを忘れませんし、何らかの形で還元していかなくてはいけないとも思いました。今回このような貴重な体験をさせて頂き研修に携わって頂いたすべての方に感謝しております。

 
自治医科大学医学部1年 
今回の研修には、普段の大学における座学だけでは学べない地域医療について学べると思い参加しました。今回は実際に彦根市民病院や豊郷病院といった医療施設に出向き、そこでどのような医療やサービスが提供されているのかを知る良い機会となりました。ただ単に病気を治すだけでなく、患者さんが病院で快適な生活を送れるようなサービスが行われていました。私はまだ1年生で医学の知識が無い中での参加となりましたが、実際の病院ではどのような医療サービスが求められているのかということを知ることができ、医療を学ぶ心構えをみにつけることができたと感じています。また、伊吹の集落の住民の皆様と交流させていただく機会を与えてもらい、滋賀県の僻地と呼ばれる地域に初めて行かせてもらいました。大学の先生からレクチャーしていただくだけでは分からない僻地の住民の方の素朴な考えを聞かせていただくことができ地域医療についての問題点について深く考えることができました。今回の研修だけでなく他の医療施設との比較の中で気づける事もあると思うので、機会があればまた参加したいと思います。
 
滋賀医科大学 医学科3年 
今回で4回目の参加になります。
彦根市立病院、豊郷病院の説明と見学、地域包括センターいぶきでのタウンミーティングのほか、伊吹山登頂、彦根城見学、交流会でのひこにゃん登場サプライズなど、盛りだくさんの内容でした。また自治医科大学から今回4人の方が参加され、交流もできました。
とくに地域包括センターいぶきは一年生の時に『夏のワークショップ』で実習させていただいており、それ以来の訪問となりました。今回は米原市上板並地区の方々とのタウンミーティングを設定していただき、また地元の食材を使用した料理をいただくことができました。上板並地区は医療施設がなく、地域包括センターいぶきの出張診療が週に一回あるだけで、しかもその診療所は医療器具が何もない小さなプレハブの建物です。冬には積雪が多いため、若い人は職場近くに転居している人も多いようです。
タウンミーティングでは、地区での生活について「遠方から嫁いできて、全く知り合いがなかったけれど、周囲の人たちがとても親切にしてくれたので耐えることができた」こと、一人暮らしの高齢の女性は(職場近くに住む息子に心配かけないように)できるだけ歩くようにし、畑仕事も自分でしたり、地域包括センターいぶきに通うのもバスを利用していることなどを語られました。また私たちの昼食のために朝から川魚を釣ってくださって、たくさんのおいしい料理を出してくださいました。地区のみなさんのそれぞれが周りの人を気遣い、いたわり合って生活されていることがよくわかりました。そしてこのような周囲の人への気遣いやいたわりが、地域の人々の目線であり、地域の人々の目線にたった医師とは、周囲の人への気遣いやいたわりを医学の知識を使って行う人なのだろうと思いました。

滋賀医科大学 医学科1年 
 宿泊研修には初めて参加しました。私は岐阜出身なので米原・彦根地域はよく通るのですが、実際に滞在したことは今までほとんどなかったため今回の研修はとても楽しむことができました。特に初日に行った伊吹山は、岐阜県民にとっては冬に伊吹おろしという冷たい風が吹きつける少し嫌な山ですが、夏に行くと色とりどりの花々や壮大な風景を楽しむことができ、冬の伊吹山とは全く違う表情にとても驚きました。
 また、彦根市立病院、豊郷病院、地域包括ケアセンターいぶきの見学もさせていただき、とても勉強になりました。万伝寺で行った地域の人たちとの交流会ではお年寄りたちと膝を交えて話しあい、上板並地区の特色やその地方ならではの医療についての意見を聞くことができてよかったです。
 今回の研修では自治医科大学の学生さんが4人も参加してくれて、夜には自治医の話も色々と聞くことができておもしろかったです。たった2日間でしたが、色々なことを体験できてとても有意義な研修となりました。ありがとうございました。
 
滋賀医科大学 医学科4年 
 彦根・米原方面への宿泊研修に参加させて頂いたのは、私が一年生の夏以来、二度目になります。一年生の時は何もかもが目新しく、訪れた病院や伊吹山、彦根城(そしてひこにゃん…)、すべてが鮮明に記憶に残っています。
この3年半の間、滋賀県の全ての地域を研修で回り、地域ごとの特色や、また各地域の共通点なども学んできたつもりです。その経験をした後に、再び彦根・米原地域における地域医療に触れられたことは、私の大きな財産となりました。
一年生の時に書いた、研修旅行後の感想文に私は以下のように記しています。
「今、何が求められているのか、医療者として自分がその地域に何が出来るのか、常に問うことを忘れない医師になりたいと強く感じた」
3年半経った今も、この気持ちを忘れないでいられるのは、里親研修にコンスタントに参加させて頂けていたからだと改めて感じています。
最後になりましたが、今回の研修にご協力・ご尽力下さった多くの皆様に厚く御礼申し上げます。
 
自治医科大学 医学科1年生 
「貴重な体験」
宿泊研修に初めて参加させていただきました。
 彦根・米原方面の病院・観光地を回ったということで、最も印象に残ったのは、米原市板並地区の方々とのタウンミーティングでした。この地域の方々にとって、この地域の診療所である「地域包括ケアセンターいぶき」が生活の安心を支えている要であるのだと感じ、地域での医療の重要性を認識しました。
 また病院のほかにも、伊吹山や彦根城などを観光し滋賀の魅力を新たに発見することができました。今回の研修で学んだことを今後の勉強に活かしていきたいです。
 ありがとございました。

自治医科大学 医学科4年 
 今回は地域で医療をすることの魅力を感じることのできるとてもいい研修でした。
ケアセンターいぶきを訪問した際にはタウンミーティングの場を設けていただき、地域の魅力やケアセンターと住民との関わりについて、上板並地域の住民の皆さんから直接お話を聞くことができました。ご近所どうし助けあいながら生活する人情味あふれる地域の雰囲気や、地域の医師と住民の方々が日頃から厚い信頼関係で結ばれている様子がとてもよく伝わってきました。
米原市の行政の方、彦根市立病院の先生による講演では、高齢者が在宅で安心して暮らせる地域包括ケアに向けた取り組みや、患者情報共有化などによる病診連携の推進など、地域医療を支える様々な仕組みがあることを学びました。
今回の研修では、「ひこにゃん」や「よいとちゃん」の歓迎を受けたり、地域の住民の皆さんの手料理でもてなしていただいたり、市や病院のトップの方から直々にお話をいただいたりと、関係者の皆様の地域医療への意気込み、我々医学生に寄せる期待の大きさを感じさせられました。そうした思いに応えられるように、しっかりと医学を学び、また地域医療への関心も持ち続けたいと思います。
 
滋賀医科大学 医学科1年 
 私は今回初めて、宿泊研修に参加させていただきました。せっかく滋賀県にある大学に通っているのに滋賀県のことを知らないのはもったいないと思っていたので、とても良い機会になりました。 私が特に印象に残ったのは上板並地区の方々との交流会でした。都会に住んでいてはあまり感じることのない地域の人たちとの結びつきや、地域包括ケアセンターいぶきのような地域に密着した医療の重要さやありがたみについて知ることができました。
 
滋賀医科大学 医学科1年 
私は今回初めて宿泊研修に参加させていただきました。研修のプログラムには、医療施設見学と地域の名所巡りがバランスよく含まれていたので、地域の人々の生活とともに医療について学ぶことができたと思います。
研修で最も印象に残っているのは、米原市上板並地区の方々とのタウンミーティングです。お元気な住民の方とお話しすることは少ないので貴重でした。美しい上板並地区を愛し、守っていきたいという住民の方々の思いがとても強く感じられました。そこでの医療は決して最先端の高度医療ではないけれど、住民の生活に根づき、強い信頼関係のある、まさに地域医療だと思いました。
滋賀県出身でも、なかなか他の地域の医療や風土に触れることはないので、すごく良い機会でした。また違う地域にも訪れて、様々な体験をしてみたいです。
 
滋賀医科大学 医学科1年 
 地域里親学生支援事業の宿泊研修に参加させて頂くのは今回が初めてとなります。各所の名所・旧跡に訪れたのはもちろん素晴らしい経験でしたが、何よりも医院、診療所を見学し、地域の住人の方々にお話を伺えたのは何よりも嬉しいことでした。
 医療機関の見学が興味深いものであるのは言うに及ばず、学生の身の上にて地域の住人の方々のお話を伺うのは、専門家のフィルターを通さずに医療を眺めることができること、相手に専門家に対する遠慮を持たせずに話が聞けること等において有益と思います。今回の活動は私にとって、医療へのイメージをより明確化し、医学への動機を強めてくれるものになったと思います。
 医療機関へは、彦根市民病院、地域包括ケアセンターいぶき、上板並診療所、豊郷病院を見学させて頂きました。とくに上板並においては地域の住人の方々が地域について思うところ、また医療について思うところを話してくださいました。上板並地区は高齢化が進んでいること、地域に若者が就職する場が少ないこと、しかし比較的近辺に長浜市民病院等の大きな病院があり、ケアセンターいぶきとの連携があるので、医療的には恵まれた地域と思われること、こうしたことは地域を知る上で興味深いことでした。時間があれば、住友大阪セメント伊吹工場のこともお伺いしたかった。工場がかつて地域の文化に深く関わっていたのか、関わっていたならどのような印象を地域の方は有しておられたのか、知りたいと思ったからです。地域の色を知ることは、医師としても他の職業と同じく、重要なことに違いありません。職業や生活様態もまた、疾病や健康状態に関わろうと思うからです。
 上板並の方々には地域の料理、わさびいなりやイワナのてんぷら、まつたけご飯もご馳走になりました。いずれも滋味深く、特にわさびいなりの、口にしたとたん鼻が通るような、わさび菜の持つ爽やかな辛みは、実に絶品でした。そうした素晴らしいご飯をいただきながら、滋賀医科大学の学生ということで、ここまで心を尽くしてくださるということに感謝と責任とを感じたものです。国費で勉強する身の上の意味は、こうしたことでもあるのでしょう。
 教養課程のうちは医療に関わる経験を積む機会が少なく、医学への意欲を維持しがたいこともあるかもしれません。私も数学や物理が苦手ですので、時折悩まないでもないですが、こうした経験があれば初心を思い出すという意味においても、自らの道を進むという意味においても、利益は少なくないと思いました。
 
滋賀医科大学  医学科4年 
宿泊研修には前回の甲賀・湖南地域に引き続き、今回で2回目の参加となります。今回の研修では彦根・米原方面における、様々な形の医療を目にすることが出来ました。
救急医療に力を入れておられ、彦根市を中心として周辺4町に15万人が住む医療圏での救急をほぼ全て担っておられる彦根市立病院。それとは対照的に、精神科やリハビリに力を入れておられる回復期病院の豊郷病院。そして、地域の皆様に寄り添う形の医療を展開されておられる地域包括ケアセンターいぶき。そのような、一地域を支えるそれぞれ役割の事なった医療施設をまわらせて頂くことで、その地域全体の医療システムを捉えることが出来たように思います。
また、今回は訪問先で多くの先生方、そして地域の方々とお話しする機会を設けて頂きました。いつも医療者側と患者側という2つの視点から物事を考えるよう教わっている私たちにとって、そのどちらの立場でもない地域の住民の皆様とお話をする機会というのは非常に貴重であり、また地域医療を考えていく上で非常に有意義な体験となりました。

 
滋賀医科大学 医学科1年 
今回初めて宿泊研修に参加し、幾つもの貴重で充実した体験をさせていただきました。その全てが鮮明に思い出されますが、その中でも私は、米原の山奥に暮らしておられる人々と直接お話し、そこでの暮らしや文化、医療について生の声が聞けたことが最も印象深く、地域医療について考えさせられる良い経験になりました。米原の山奥に住んでおられる人々は訪問診療所という小さな施設で生活に必要な医療を受けておられます。そのシステムの利点は近くに診療所があることで地元の住民が安心できることや、遠くの病院に通う負担がなくなることです。地元の人々の今の思いや、今後の不安を聞くことで、人々が安心して生活できる地域づくりには何が必要か、何を改善していくべきか深く考えさせられました。また、生活環境が異なると必要な医療も異なる、その地域に見合った生活の支え方があることを知りました。地域の人々の温かな繋がりを感じることもできました。宿泊研修は貴重な体験を通して自分の感性を磨き、志を高められる良い研修です。今後も是非参加したいです。
 
(意見等)
 今回もこうした研修でしか得られない、非常に貴重な経験をさせていただきました。特に、いぶきでのタウンミーティングは、沢山の方の協力のもととてもよく準備されていて、感激しました。目的が明確で構成も練られており、我々学生にとって大変学びの多い場となりました。
 
(アンケート)
・病院訪問の際に取り入れてほしい研修内容
○医師や看護師との交流会→どうしてその病院で働いているのかを聞けたらよりその病院の良さがわかると思います
○今回彦根市立病院にて行っていただきましたように、症例研究などがあると面白いと感じました。
あと、豊郷病院の見学時間が短かったので、もう少し病院見学に余裕があるとありがたいと感じました。
 
・地域見学で取り入れてほしい見学内容
○今回と同じように地域の方々との交流(3名)
○今回の伊吹山、彦根城はとても良かった。8合目まで車で連れて行ってもらえて、彦根城の見学費も出して頂けるのは とても有難かったです。
○集合時間に遅れておいて僭越なのですが、伊吹山は登り降りに時間がかかるのでもう少し時間を取って頂いた方がいいと思いました。