【次につなげるために】・・・真の日本代表選手を目指して


1.真の日本代表選手は、1日にして成らず!!
                                 事務局  榛原中学校 幸田 伸也
 選手のみなさん、10日間本当にお疲れ様でした。試合結果は残念で、悔しい思いもたくさんありますが、この10日間での出会いや経験、見たもの、聞いたこと、感じたこと、そのすべてが財産です。もう1度頭をゆっくり整理して、これからの自分の生活とホッケーに必ず何かをつなげて下さい。
 この遠征は、毎年トレーナーの先生に帯同してもらい、私自身もトレーナーの先生との出会いに感謝して、たくさんのことを学ぶことができました。オーストラリアの選手と戦い、体格やストロークなど様々な場面で、外国選手の真の強さを感じたことでしょう。その同じ真の強さを身につけるには、今までと同じ事をやっていてはいけません。真の日本代表選手を目指すなら、これからの毎日の意識と努力にかかっています。
 今回は、森トレーナーに遠征で感じたこと、日本代表選手を目指す君たちに伝えたいことをまとめてもらいました。『真の日本代表選手は、1日にして成らず!!』、今後の君たちの努力に期待して、森トレーナーからのメッセージを紹介して、まとめとします。

2.森トレーナーからのメッセージ
「アスリートとしてのセルフコンディショニング」
 2013年度、U-16ジュニアユースホッケー日本代表オーストラリア遠征に帯同させていただきました、トレーナーの森 宜裕です。
 今回、私自身、初めてのオーストラリア遠征帯同であり、選手たちと関わることができるのがこの遠征の10日間のみでありました。この短い期間の中で、選手が最高のコンディションを発揮し、遠征を実りあるものにするために最重要と考えたのが「徹底したセルフコンディショニング」です。
 コンディショニングとは、ピークパフォーマンスの発揮に向けて必要なすべての要素(健康、技術、精神、栄養、環境、身体など)を望ましい状態に整えることです。この考えでは、コンディショニングはグラウンドだけでできるものではありません。ホテルでも、食事でも、寝るときにおいてもコンディショニングは行い続けることが重要です。
 試合に向けた準備は、グラウンドに到着してからはみんな必死にするのですが、試合はもうそのずっと前から始まっています。そこに意識を置けるかどうか、その違いが、真の日本代表、真のアスリートになれるかどうかに関わってくるのだと私は考えています。
 そして、そのコンディショニングを自分自身で行う。それが、セルフコンディショニングです。今回の遠征では、自分の体調などを管理するコンディションチェックシートを毎朝記録してもらいました。△がついている項目はどうすれば◎になるか、今の自分に必要なストレッチは何か、など自分のコンディションを整えるためにできることを常に考える習慣をつけることが重要だと思います。 
さて、この遠征では、栄養面とストレッチングについて言い続けました。
まず、ストレッチング。身長も伸びるこの時期、何もしないでいると身体はどんどん固くなっていきます。ましてやホッケーという過酷なスポーツを行っていればなおさらです。ストレッチをすることでケガの予防ができるだけでなく、パフォーマンス向上も見込まれます。低い姿勢でのプレーが重要となるホッケーでは、柔軟性の向上はそのままスキルの向上に繋がるのではないかと観ていて感じていました。やらない・嫌いという選手が多いストレッチング。周りと差をつけるチャンスと考えてみてください。
次に栄養面。私はアスリートのトレーニングをよく車に例えます。筋トレ、練習をしていい骨格・筋肉(車のタイヤ、ボディ、エンジン)を作ります。反復練習を行い、コツをつかみスキル(運転技術)を向上させます。チームや個人で目標を持ち、指導者に教わりながらそこに向かって走ります(カーナビ)。しかし、最後の最後で栄養(ガソリン)を入れ忘れる、少ない、質が良くないのです。ガソリンの入っていない高級車は、燃料満タンの原付に走り負けます。 食事、本当に大事です。
今回、遠征中に試合後の糖分・クエン酸の補給にオレンジジュースの摂取を推奨しました。これだけでなく、様々な栄養のことについて関心を持ってください。栄養に関する知識は数多くあるためここでは紹介しきれませんが、食べる飲むという行為に対して、これはどうだろうと考える癖をもつこと、これが大切だと感じます。理想の栄養摂取はとても大変ですが、身体にいいものを少しでも摂る。身体に悪いものは少しでも控える。この意識があるか、ないかは大違いです。栄養は毎日のことですから少しの違いが大きな結果を生むでしょう。
今回参加した選手たちは、このセルフコンディショニングに積極的に取り組み、初の海外、季節の逆転、慣れないチームメイト、共同生活などコンディションが崩れてしまう環境が多く存在する中で、体調を崩すことなく、試合中にだれも足を吊らず大会を終えることができました。 帰国後、選手のみんなからは「森トレーナーのおかげです」という嬉しいコメントを数多く頂きましたが、私はみんなが自分でケアができるように仕向けただけです。自分自身の体のケアをしっかりとやりきれた自信を持ってください。
 常に、次に向けた準備をし続けること。日本代表として、アスリートとして是非継続してほしいと思います。NEXTはもう始まっていますよ。最後に、あるバスケットボールコーチの名言を紹介して終わりにしたいと思います。
「勝つ意欲」はたいして重要ではない。
そんなものは誰もが持ち合わせている。
重要なのは、「勝つために準備する意欲」である。