2016年度に向けて

スタッフの皆さんへ

2016.4.1 畑野秀樹


◆平素より、ケアセンターいぶきの診療所、訪問看護、リハビリ、デイケア、居宅介護支援事業、老健の運営にご協力いただき、ありがとうございます。おかげさまで、平成18年に立ち上げてから10年が経過しました。10年前は40数人のスタッフで始めましたが、その後事業拡大などを行い、95名程度まで増えました。昨年の10月に米原市の西部に「米原市地域包括医療福祉センター ふくしあ」がオープンし、いぶきの事業はコンパクトにして75名のスタッフで今年度スタートします。

◆地域包括ケアセンターいぶきは、平成13年から具体的な事業を計画し、平成18年に施設オープンしました。「地域包括ケア」という方法で医療や介護・福祉を展開してみて、うまくいくかどうかの実験場として始めました。いろいろな苦労もありましたが、おおむね成功したと思います。現在では日本の全国各地で国を挙げて「地域包括ケアシステム」を動かす時代となりました。

◆3月31日をもって歯科衛生士のIさん、外来の臨時看護師のMさん、「ふくしあ」の地域包括支援センターに異動したNさん、Iさんと別れることになりました。非常に残念で辛い思いがありますが、このような方々のおかげで、非常に挑戦的な取り組みができたと思います。特に「摂食嚥下、口腔ケア」、「認知症ケア」の面でアドバンテージをいただきました。これからは残ったスタッフで、これまでの経験を活かして、ケアセンターいぶきのブランドを更に高めていってほしいと思います(まずは地域住民に信頼されること、そして外部の評価を受けること)。
 また、ケアワーカーのY君が正職員として入職してもらうことができました。数名のスタッフの異動も行いました。新たな気持ちで活気ある職場としてほしいと思います。

◆米原市も合併して11年たち、広域化に慣れたと思います。私たちも米原市全体のことを考えて取り組むことができるようになってきました。先ほど述べたように米原近江地域は、「ふくしあ、米原診療所」として独立した医療福祉施設となります。私たちは、今後も地域の住民が安心して暮らし、最期まで生活を続けることができるように医療と介護・福祉、保健が連携しながら取り組んでいきたいと考えます。

外来は、今年度は診察時間の変更を行いました。午前と午後の外来でしたが、午前(9:00~12:00)と夕方(4:30-6:30)として、特に働く人や子どもたちが利用しやすくなるようにします。また予約システムを採用して、待ち時間を短縮できるように努めます。まずは受付窓口または電話での予約でスタートしますが、時期を見てウェブ予約ができるようにしていきます。

訪問看護は、ステーションを止めて診療所の中に取り込み、看護師が外来も往診同行も訪問看護も行うなど包括的な業務を行います。関係するスタッフの皆さんにはご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いします。

リハビリは、今年もスタッフ6人体制で継続します。外来リハも通所リハ(デイケア)も、漫然と継続したリハビリの時代は終わり、日常生活の中に目標設定をして行うことになりました。そのため卒業のあるリハビリとなり、常に回転するものとなります。不本意に卒業される利用者の方々には心苦しいところもありますが、リハビリの新規ニーズを取り込んで、生活能力を上げて次にバトンタッチをするよう努力していただきたいと思います。

デイケアについても、卒業してもらうことが目標となります。ご本人のリハのゴールを設定し、集中的にリハビリをして評価し、半年後や1年後にデイケアを卒業できるようにしてください。また次の受け皿となるデイサービスなどのリハ機能のレベルアップにも取り組んでもらう必要があります。地域全体でリハビリ機能が上がらなくてはなりません。大変だと思いますが、改革の道を作っていっていただきたい。

老人保健施設(老健、60床)は、ロング入所は最長4ヶ月、入所と入所の間は最短2ヶ月に変更します。ショートステイはこれまで通り30床で
維持します。老健が「地域包括ケアシステム」の核となるよう「地域支援とリハビリ」に特化して在宅療養を支援していきます。現在のロング入所の在宅復帰率は7割(以前は9割)と徐々に低下しています。地域の過疎化、在宅介護力の低下などがその要因ですが、「住み慣れた場所」が自宅(ホーム)であるならば、可能な限り努力したいと考えます。ショートステイは月に130名の人たちが利用し、1日平均12名の入退所でスタッフは大変だと思います。なんとか在宅療養を支援してください。
 近隣の施設と比較して、看護師が夜勤しており24時間連絡が取れること、医師が常駐し往診もしていることがケアセンターいぶきの最大のアピールポイントと思います。それに認知症ケア専門士の増加、食支援委員会など、スタッフの皆さんがいろいろな能力を持っており、活躍を期待しています。

◆今後の課題として、経営的な問題があります。指定管理料としての市からの支援はなくなります。これまでは市からの支援のおかげで黒字化できていましたが、これからは難しくなります。赤字分は市から補てんするとのことですが、十分な精査の上となると思います。職員の採用などについては厳しく指摘を受けることが予想されます。しかし、この地域において何が必要で、何をしたらいいのか、課題ははっきりしており、必要なことを一生懸命にやることが私たちの責務と考えていますので、スタッフの皆さんにはこれまで以上に運営へのご理解とご協力をお願いします。

◆最後に、米原市の住民が安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアの最前線として進んでいくつもりです。スタッフの皆さんには、施設の中だけでなく施設の外への情報発信と、地域のリーダーシップを発揮していただきたく思います。